慶応大在学中にNHK連続テレビ小説のヒロインに選ばれ、映画や舞台でも活躍してきた紺野美沙子さん(61)。国連の親善大使としての活動も長い一方、最近ではYouTubeで鉄道会社を支援して、横綱審議委員にも就任。夫が富山県氷見(ひみ)市の副市長に就任するなど、目まぐるしく変わる環境に適応して、楽しんでいるようです。
40代のころは、あまりに多忙で精神的に不安定になった時期もありましたが、それをどう乗り越え、還暦を迎えてからの飛躍となったのでしょうか。(全2回中1回)
Facebookから直接、連絡をとって
── 赤字続きで話題になった千葉県の銚子電鉄のYouTubeに紺野さんが出演。6年ぶりに黒字になりましたが、紺野さんのおかげではないですか?
紺野さん:
少しでも貢献できていたら、うれしいですけど(笑)。
昨年、ステイホームの時期にお風呂で新聞を読んでいたら銚子電鉄の記事があり、赤字続きで大変だという内容でした。
そのとき「銚子電鉄に乗る」に引っ掛け、「調子に乗る」というダジャレの歌詞を思いついたのです。
コロナの先行きが見えないなか、少しでも明るい話題になればと考え、私のFacebookから銚子電鉄の社長に直接、連絡を取りました。
知人のピアニストやダンサーに協力してもらい、『ちょうしに乗っていこう』という曲と『ちょうしに乗り体操』をYouTubeで披露させてもらいました。
── すごい行動力です。普段からほかのSNSも駆使されているんですか?
紺野さん:
Facebookを少し利用する程度ですね。仕事の告知やハッピーなニュースを発信することはあります。
先日、長野県須坂市の農協で八町きゅうりを購入したんです。ぬか漬けにしたらすごくおいしかったので、それはFacebookにアップしましたね。
── 中学生からボランティア活動をしていた紺野さんですが、国連開発計画(UNDP)の活動も長く続けていますよね。
紺野さん:
来年で25年になりますが、今でも“どうして私が?”という気持ちはあります。
語学が堪能であるとか、海外での活動を意識していたというわけではありませんでしたから。
親善大使として発展途上国といわれる国を訪ね、現地で見聞きしたことを講演活動などで伝えてきました。
普通の旅行では行くことが難しいパレスチナや東ティモールやアフリカの国々を訪問してきましたが、貧困や困難があっても前向きに生きる人たちを見て、視野が広がったと思います。
── 最近はコロナで、海外渡航は難しいですね。
紺野さん:
ですから、ニューヨークの本部から送られてきたメッセージを、SNSを通じて発信したり、国内で講演会活動をしたりしています。
先日も東京の「子ども大学くにたち」で、SDGsについて講演をしました。
ただ、私はSDGsの専門家ではまったくないので、経験をしたこと感じたことを自分の言葉で伝えるようにしています。