親が机に向かうと子どもが変わるチャンス

お金の勉強に限ったことではありませんが、私も3人の子どもを持つ親として実感している大事なポイントを3つ共有したいと思います。

 

1つ目は自分自身が勉強している姿を見せることです。正確には私の場合は仕事として経済や投資についてPCに向かってデータ分析をしたり、レポートや書籍を読む姿を見せています。

 

姿を見せるといっても、子どもからすれば仕事部屋で何かやっているな、としか感じていないと思いますが、大人でも机で作業をしたり、読書する姿を見せることで、子どもは「大人になっても勉強を続けるのか」と感じます。

 

すると、大人でも勉強を続けているんだから、子どもの自分が勉強するのは当たり前だな、と思ってくれるのです。

 

少なくとも我が家では子どもたちがそのような解釈をしていましたし、私が子どもの頃にも同様の解釈をしました。

 

2つ目は強制しないことです。お金の勉強に関する講演後、よく親御さんから「子どもには何を読ませたらいいか?」などの質問を受けます。

 

しかし、子どもが興味を持っていない段階で「投資の本を読みなさい」と指示をすることは逆効果になる可能性も高いと思います。

 

それでは、どうすればいいのか。環境をつくってあとは放置する。これが3つ目です。

 

何もないのに、急に「お金の勉強がしたい」と申し出てくる子どもはまずいないでしょう。

 

つまり、興味を持つ可能性が出てくる環境だけはつくっておくのです。たとえば、親が経済関連のニュースを見ているとか、新聞を読む。

 

ただこれだけの日常風景を作るだけでも大きな一歩だと思います。環境をつくったら、あとは期待せずに放置しましょう。

 

そして、子どもがいざ興味を持ち始めたら、一生懸命応援してあげてください。

文/森永康平(経済アナリスト)

参考/金融広報中央委員会「金融リテラシー調査(2022年)」https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/