暑い季節には辛いものが食べたくなるけれど、自分で作るのはちょっと…と躊躇してしまう麻婆豆腐。そんなイメージを覆す、超簡単なレシピを管理栄養士・料理家の長谷川あかりさん(@akari_hasegawa)がSNSで投稿し、10万いいねを超える大反響になりました。
調味料は3つだけ!油不使用・豆腐の水切りも必要ないだと…
長谷川さんが考案した鶏塩麻婆豆腐に使う調味料は、塩、料理酒、豆板醤の3つだけ。さらに油も不使用、豆腐の水切りもしなくてもいいと、拍子抜けするほどお手軽です。
ただ、シンプルだからこそ、基本の材料をアレンジすると別物になってしまうのだそう。
鶏ひき肉はもも肉、豆腐は絹、酒は料理酒を使うことで、旨味とコクを引き出すのがポイントです。
まずは鶏ひき肉、みじん切りにした長ねぎ・にんにく・しょうが、料理酒をフライパンに入れてふたをし、中火で蒸します。3分経ったらふたを開け、塩、豆板醤を加え、豆腐を一丁のせましょう。火加減は中火のままで、豆腐を潰しながら全体を馴染ませます。
味見をして、塩や豆板醤で味を整え、水溶き片栗粉を加えて1分ほど煮立たせたら完成です。皿に盛りつけ、好みでラー油や山椒をかけていただきます。
本格的な麻婆豆腐はお店で食べればいい
実は、料理好きの長谷川さんでも、本格的な麻婆豆腐を作るのは「ハードルが高いな」と感じるそう。
「夫の好物が麻婆豆腐なんです。だけど、家で作るのはなかなか大変で。究極、本格的な麻婆豆腐はお店に行けば、食べられるじゃないですか。だから、家で作るなら、もっと簡単で満足のいくものが作れたらいいなと思って。
でも実は、この麻婆豆腐は作ろうと思って生まれたわけじゃないんです。辛いスープが食べたくて、家にあるものを入れて作ったものが原型です。
『あ、もっと水分を減らして、素材の味を引き出しせる配合にしたら、麻婆豆腐になるかも』って思ったところから生まれました」
簡単で旨味たっぷりの鶏塩麻婆豆腐は、偶然から生まれたものだったのですね。
「普段から、手抜きだけど、『料理をした』という満足感もちゃんと味わえるレシピを作りたい、と思っています。たとえば、塩や酒などの基本調味料だけで、素材から旨味を引き出せたら、『自分って料理上手かも?』と自信が湧きますし、『丁寧な料理をしたぞ』という高揚感が味わえるじゃないですか。そういうのって大切だなと思うんです」
PROFILE 長谷川あかりさん
管理栄養士、料理家。趣味、衣食住。なんでもない日を幸せにする、シンプルで豊かなごはんのレシピを投稿中。
取材・文/吉井菜子