テレワークが普及し、今まで以上に暮らす場所は自由になりました。沖縄県に移住する人も増えているようで、子ども3人を育てる片岡由衣さんもそのひとり。関東地方から沖縄県・竹富島へ移住して3年がたった今、離島での子どもの様子について話を聞きました。
離島移住のきっかけは長男の「登校しぶり」
沖縄県で県外転入者が最も多い竹富島に2019年春から、5人家族で移住した片岡さん。当時小学2年生の長男の「登校しぶり」をきっかけに、離島の教育へ興味を持ちました。
「突然、体調の異変を訴え、学校に行きたがらなくなりました。お腹が痛いとか頭が痛いって。
2年生に上がった直後くらいかな。それまでは一度もなかったことで、原因は今もわからないのですが…」
学校の担任など周囲の人に相談しながら、私立小学校やフリースクールの転校も視野に調べていた片岡さん。
過疎や少子化の問題を抱える日本の離島で、豊かな自然や離島独特の文化を体験する離島留学を実施していることをテレビで知りました。
夏休み明けには、何事もなかったかのように再び楽しく登校するようになった長男ですが、リゾート運営企業に務める夫が、沖縄県の竹富島に異動希望を出したいと家族に提案しました。
離島に興味を持っていたこともあり「何かの縁かもしれない」と、片岡さんは感じたと言います。こうして、離島への移住が決まりました。
移住2か月前には下見で竹富島を訪問。1月で肌寒かったのにもかかわらず、ビーチで子どもたちは3時間以上も夢中で過ごしました。
島の学校へ見学に行くと、鮮やかな花、芝生が広がる校庭、雰囲気のある校舎。公立の学校とは思えない絵本に出てくるような景色に、まず片岡さんがひと目惚れ。
さらに先生の説明を聞くうちに、子どもたちの表情がみるみる変わっていきました。「絶対にここの学校がいい」「早く通いたい」とすっかりその気になったそうです。