テレビ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に昭和歌謡博士ちゃんとして出演し、黒柳徹子さんと共演したことでも話題になった、中学1年生の左合桂三くん。桂三くんが夢中になってきた出来事に対して、親としてどのように向き合ってきたのか、母親の左合みちるさんに伺いました。

「7000系じゃダメ!」小さい頃から強いこだわりが

── 現在は昭和歌謡に夢中の桂三くんですが、親として子どもの興味に対してどのように向き合ってきましたか?

 

左合さん:
桂三は小さい頃から好きなことを自分から見つけるのが上手でした。親としては、好きなものがあるときは、「なるべく熱が高いうちに本物に触れさせてあげたい」という考えです。興味のある場所にはできるだけ連れて行ったり、本や図鑑で見せるようにしています。

 

たとえば、昭和歌謡にハマる前は長い間電車にはまっていました。

 

電車では国鉄が好きだったので、鉄道の雑誌で毎月臨時運行のダイヤを調べたり、旅行には必ずその地方の鉄道に立ち寄ったり、引退する電車があるとそれを見に行くなど…。本当によくいろいろな場所に行きました。

 

旅行のスケジュールを組むのは、私ではなく主人が担当しています。主人も桂三も旅行の計画を立てるのが好きなんですね。二人で地図と時刻表を見ながらあれこれ予定を立てている姿を見ると、「そっくりな親子だな〜」と思います。

JR九州の豪華スイーツトレイン「或る列車」と記念撮影
JR九州の豪華スイーツトレイン「或る列車」と記念撮影

ただ、桂三は好きなことに対してのこだわりも半端なく強く、小さい頃はそのこだわりに対しての意思疎通がうまくいかず、大変でした。

 

例えば、電車に乗りたいと桂三が言い出すと、私は電車ならなんでもいいと思い連れて行くのですが、桂三が見たかったのは7000系ではなく1000系だった…ということは日常茶飯事。電車に乗ろうと言っても「音がこれじゃない!」とか泣いて騒ぐのですが、私には何が違うのかさっぱりで。後からわかったのですが、エンジン音だったりエアコンの音だったり…そこも彼にとっては重要ポイントだったようです。

 

意思疎通が難しい幼い頃は、なにをすれば納得してくれるのかわかりませんでした。駅のホームで泣く桂三をボーっとベンチに座って眺めていたら、知らないおばあちゃんが「しばらく泣き止まなそうだから飲んだら?」と私に缶コーヒーをくれたことがありました。すごくありがたかったです。4〜5歳になってからは言葉で見たいものを細かく伝えてくれるようになり、だいぶ楽になりましたね。

 

── 桂三君は電車以外にはどんなものにハマりましたか? 

 

左合さん:
現在進行形でもあるのですが、虫や、工作、絵を描くこと。あと、水木しげるさん、岡本太郎さんでしょうか。岡本太郎さんにハマって、川崎市岡本太郎美術館や、はるばる大阪まで「太陽の塔」の中を見に行きました。

岡本太郎ブームの時に今は亡き祖父と一緒に描いたお気に入りの1枚
岡本太郎ブームのときに今は亡き祖父と一緒に描いたお気に入りの1枚

水木しげるさんで言うと、初期の頃のモノクロアニメ「墓場鬼太郎」がいちばん好きだそうです。水木先生が描いた妖怪図鑑も買ってあげたら熟読していましたね。先生の出身地である妖怪の街・鳥取県境港市に家族旅行も計画していましたが、残念ながらコロナ禍でまだ実現していません。

 

昭和歌謡や妖怪など、昭和っぽいものになぜか惹かれるようですね。