「どっちが大変か」というよりも…
今回、いろいろな意見を聞いてみると、やはり子どもが小さいうちの育児は本当に大変だということは多くの人が理解しているようでした。
また、仕事の方が大変と感じる人からも「だから育児はできない、しなくてもよい」という声はほとんど見られず、「しないといけないのはわかっているけど…」「配偶者には感謝している」という姿勢の人が大半でした。
内閣府男女共同参画局の資料では、日本の男性の会社で働く時間は世界のなかでも突出して長く、男女の家事育児に費やす時間の比率も、ほとんどの国は女性が男性の2倍程度ですが、日本だけが女性5.5倍と異常に突出しています。
この数字が、男性の多くが「仕事の方が大変」、女性の多くが「育児の方が大変」と感じる理由の1つとも推測されます。
とはいえ、大変さというのは本人の感じ方で決まるため、「どっちが大変か」を決めることはやはり不可能なのかもしれません。
しかし、自分の想像の範囲外にも「大変さ」があるということは、夫も妻も頭に置いておいたほうがうまくいくのではないでしょうか。
今回のアンケートではそれを理解している人がほとんどの印象でしたが、SNSなどで「育児くらいで…」という言葉に傷つく妻の声があとを絶たないのは、一度も育児の主体になって過ごしたことのない夫が、上記のような「想像の及ばない大変さ」をないものとしているからだと思えてなりません。
また夫の仕事に対しても、見えない部分の大変さを想像した上で「それでも2人の子どもだから、これとこれは一緒にやっていこう」というスタンスで話せれば、少し歩み寄れるかもしれません。
なお今回は夫がメインで就労し妻がメインで子育てをしている夫婦を想定して書きましたが、もちろんそれ以外のカップルも含め、お互いが相手の大変さを理解しようとする姿勢を持ち、子どもに関わっていけると良いですね。
文/高谷みえこ
参考/内閣府男女共同参画局「生活時間の国際比較」https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/column/clm_01.html
「男女別に見た生活時間」https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-c01-01.html