リモート会議で「なにか意見ある?」「何でも言ってね」と言ってもメンバーはシーン…。じつはこれ、リーダーの態度に問題があるかも。気づきにくい上司のNG行動を解説しながら、部下が意見を言いやすくなる方法を組織開発をサポートする実践家・原田将嗣さんに聞きました。 

リモート会議では3割増しのリアクションを

リモート会議において、メンバーが「話しにくい」と感じるのはどんなときでしょう?それはリーダーが“聞いていないように見える”ときが、大きな要因です。

 

たとえば、あるリモート会議ではこのようなことがありました。

 

メンバーが一生懸命話しているのに、リーダーはカメラから目線を外し怖い顔で一点をにらみつけています。うなずきやあいづちもありません。

 

発表しているメンバーからは「リーダー、怒っている?」などと話しづらさを感じ、余計なことを言わないようになります。

 

他のメンバーも意見が言いにくくなり、これは典型的な「心理的安全性」が低い状況です。

 

この場面、リーダーとメンバーでどのようなギャップが生じているのでしょうか。それぞれの視点と解消法を考えていきたいと思います。

 

このケース、リーダーは「資料を手元において、それを見ながら真剣に聞いている」だけのことが考えられます。

 

それに対して、上司の様子からメンバーは「リーダーは難しい顔をしている。怒っているのかなと不安」です。

 

このギャップを解消するには、まず上司が自分の状況をオープンにする必要があります。

 

「手元に資料があってそれを見ながら、ちゃんと話は聞いているよ」と、先に事情を説明するのです。

 

また、上司は目線が資料にいっても、相槌やうなづきなど意識的に対面で会っているときの3割増のリアクションをこころがけることが重要。

 

次のようなケースもよくあるでしょう。リーダーが「なにか意見ある?」「いろんな意見が聞きたい」といっても、メンバーは“自分に聞いてきているのかな?”とリーダーの意図がつかみきれない様子。

 

新人などの若手は、“自分の意見なんか求められてないかも”と、つい遠慮しがちになります。

 

これまで、会議などで意見を言ってもスルーされたり、至らない点を指摘されたりした経験があると、その傾向は強まるでしょう。

 

そういったことを踏まえて上司は「新商品の改善点について佐藤さんは、気づいたことある?」と名前を呼んで、意見を促しましょう。

 

そして、どんな意見が出ても上司は「意見を言ってくれてありがとう」「その視点は僕(私)にはなかった」などと、受け止めることが大切です。

 

これらのように、リーダーのちょっとした言動を変えるだけで、メンバーは「ここは意見を言ってもいい場」「意見を言ったら、聞いてもらえる場」と思える声かけを実践していきましょう。