見頃は7月半ばから8月半ばまで、全国各地100か所以上で見頃を迎える「田んぼアート」。なかでも約35万人が集まる、田んぼアートの発祥地・青森県田舎館村の作品は、スタートしてから30年経ったいまでも年々進化を続けています。田舎館村役場・企画観光課の鈴木文人さんに、田舎館村の田んぼアートについてお伺いしました。
村人が一致団結して取り組むアート活動
── 田舎館村の「田んぼアート」ですが、誰がどのようにして制作しているのですか?
鈴木さん:
稲作体験を希望する人を全国から募って、その方々と、村の人々が協力して作っています。稲作体験は完全予約制で、だいたい5月上旬に募集を開始して、5月下旬から6月上旬に稲を植えます。
1993年に初めて稲作体験の募集をしたところ、全国から参加者が100人ほど来てくださいました。今も毎年たくさんの応募があります。東京や大阪など都会からもいらっしゃいます。リピーターも多いですね。
── 地元の人はどのくらいの方が参加されているんですか?
鈴木さん:
農家の方や美術の先生、設計士さんなど、制作に携わっているのは150名くらいでしょうか。あと、私たち村役場の職員はほぼ全員が田んぼアート事業に何らかの形で関わっています。稲刈りには村人300人が総出で取り組みますので、おそらく地元民は合計500名近くが参加していますね。
「田舎館村の田んぼアートは年々進化している」「発祥地である田舎館村のアートが最もクオリティが高い」と言っていただくことがありますが、おそらくそれは、多くの人が関わっていることと、30年という長い歴史の中で培われてきた結果だと思っています。