自分にぴったりの抱っこ紐収納カバーや抱っこ紐が見つかると話題の「ルカコ」。ネット通販からはじまった「ルカコ」ですが、現在はリアル店舗もオープン。駅から離れた大阪の本店は、金・土の1日4時間しか開いてないにも関わらず、行列ができるお店に。2022年3月には「ルカコストア TOKYO 下北沢」もオープンしました。なぜ多くの方が集まるのか、人気の秘密を代表の仙田忍さんにお伺いしました。

「抱っこ紐」に詳しすぎるスタッフたちの存在

── 最初、抱っこ紐収納カバー専門店「ルカコ」は、ネット通販で始まったと伺いました。現在は店舗を広げ、今年は東京にも進出しています。店舗をオープンした理由はなぜですか?

 

仙田さん:
「ルカコ」は、抱っこ紐収納カバーのネット通販からスタートしました。抱っこ紐は、子どもを抱っこしていないときに、紐が「だら〜ん」とぶら下がって邪魔だし、カッコ悪い。そのため、持ち運びが便利になって収納できるカバーを10年以上前に作りました。

 

小さなお店だからこそできる強みだと思うのですが、「選べる楽しさ」を加え、100種類以上のデザインのものを今まで販売してきました。デザインや色はもちろん、サイズもたくさんあって、それが人気となり、多くのお母さんをはじめとする親御さんに支持されてきました。

「抱っこ紐カバー」は100種類以上
「抱っこ紐カバー」は100種類以上

店舗をオープンすることにしたのは、公式ブログとLINEが大きな転機となりました。2017年から、ブログを通して全国のお母さんに向けてさまざまな情報を発信していきました。

 

ブログは年間150万人が来訪、LINEの「お友だち」は1万人を超えました。その延長線上で、「お客さまからたくさんの声を直接聞きたい」「お客さまの困りごとを解決したい」と思うようになり、店舗をオープンしようと思いました。

 

── 店舗オープンは順調でしたか?

 

仙田さん:
スタッフは最初、反対していました。ネットショップを運営している大阪のビルの1階の倉庫として使っていたところを店舗にしようとしたのですが、最寄り駅から徒歩15分の場所にお客さんは来ないだろうと(笑)。

大阪の本店の1階にショップをオープンした
大阪の本店の1階にショップをオープンした

そこで仕事が終わって夜の11時ごろから毎晩、1か月かけて、ひとりでよなよな倉庫をDIYしました。そうしたら想像以上におしゃれに生まれ変わり、スタッフも協力してくれるようになりました。

 

ショップは、ルカコで働くママも働きやすく、お客さまのママやご家族も来店しやすい金土の11:00〜15:00の4時間のみオープンすることにしました。

仙田さんを先頭にみんなで楽しみながらカバー作りに励んだ
仙田さんを先頭にみんなで楽しみながらカバー作りに励んだ

最初は「抱っこ紐収納カバー」を販売していたのですが、今は「抱っこ紐」や「ヒップシートキャリア」も販売しています。ショップでお客さまとお話しするなかで、育児の困りごとや悩みが今までよりもっと聞こえてきたのが理由です。

 

── どのような悩みですか?

 

仙田さん:
抱っこ紐カバーを買う以前の問題で、「自分に合う抱っこ紐がわからない」「使っている抱っこ紐の使い方があっているかわからない」「今使っている抱っこ紐では肩や腰がつらい」という悩みです。

 

抱っこ紐を使う方の体型や身長、お子さまの月齢、使う環境はそれぞれです。先輩ママやネットの情報でおすすめを買ったけれど、結果自分には合わなかった、という方もしばしば。

 

量販店だとそもそも試着ができなかったり、他の抱っこ紐との比較ができなかったり、自分に合うものが見つからなかったり。何店舗も赤ちゃんやお子さんを連れて回るのは大変ですし、お子さんの機嫌もあるし気も使います。

 

抱っこ紐収納カバーを販売していたからこそ、スタッフが抱っこ紐にとても詳しくなっていました。ママたちがスタッフなので、育児経験や困りごとにも寄り添えます。その方に合ったベストの抱っこ紐を提案することで、もっとママやパパの力になれるのではないかと思いました。