今や共働きは珍しいことではありませんが、時間に追われて「子どもにゆっくり向き合えない」と悩むご家庭も多いのではないでしょうか。今回のご相談者様もそのひとり。教育家・見守る子育て研究所(R)所長の小川大介先生が、アドバイスします。

【Q】共働きで子どもの勉強を見る時間がない

現在、小学1年生の子がいます。通信教育の学習時間が平日に取れないことが悩みです。共働きなので、仕事を終えて学童へ子どもをお迎えに行き、夕飯を食べて、お風呂に入ると21時近くになります。その後、眠い目をこすりながら勉強をして次の日の準備をする毎日です。


小学1年生なのでまだ親が一緒についていないと勉強ができず、寝る時間は日に日に遅くなっています。これからもずっとこんな状態で良いのか、正直悩みます。子どものためにこれからどうしたら良いのでしょうか。

「学習メニューを整理」し「タイムテーブル見直しを」

共働きで時間を確保するのは大変かと思いますが、よりよいサイクルをつくっていくアプローチは主に2つあります。

 

1つは、学習メニューの整理とタイムテーブルを見直すことです。

 

ご相談者様であれば、取り組みたい学習について、親子で土日に一緒にじっくり取り組んだほうがいいものと、復習など、平日ひとりでもある程度任せられる簡単な学習をまず仕分けてください。

 

そのうえで、親子で早寝早起きをして朝時間を活用していくといいでしょう。ご相談者様はお風呂から出て21時近いとのこと、しかもかなりお疲れのようですので、ここは思いきって寝てしまうとよいと思います。

 

親御さんは朝早く起きて家事や仕事の準備を済ませ、お子さんも朝に勉強すればいいのです。親御さんはお子さんが起きるまでにやるべきことを片づけていれば、お子さんの勉強を見てあげることもできます。

 

そんなふうに朝のうちにいろいろなことがクリアできていると、日中のお仕事にも集中できるのではないでしょうか。

 

夜に眠い目をこすりながらがんばる30分間より、早く寝て起きた15分間のほうが親御さんの活動もお子さんの学習もはかどるはずです。実際、今まで多くの親御さんと交流する中で、朝、活動するスタイルにしているご家庭がいちばんうまく回っているように思います。

 

ただ、ほかの家族の生活サイクルの関係で朝型に変えることが難しい、低血圧等で体質的に朝の活動が難しい方などもいらっしゃると思います。

 

その場合は、頭が働く時間をどう使うかがカギとなります。通常、ご飯を食べた後は頭が動かないですし、夜も入浴した後は寝る準備をしたほうが体によいものです。

 

よって、ご相談者様であれば、夕飯や入浴の前に勉強をやったほうがいいと思います。お子さんのお腹がすくようなら、おにぎりを1個だけなど軽く食べて勉強を終わらせ、夕飯にする。そんなふうに脳の働きを考慮したタイムテーブルの見直しをお薦めします。

 

毎日が場当たり的に過ぎているようであれば、改めて時間の設計図をつくってみてください。お子さんの成長に応じてタイムテーブルを見直すのも大切です。