変化2:参加する・しないが柔軟になった

PTAで過去によく問題になっていたのが「加入は任意のはずなのに、強制的に加入させられ、役員が回ってくる」という問題です。

 

本来、まずは活動内容をまとめたハンドブックなどを見て加入するかしないかを各自が判断し、加入届を出すことで加入が成立するのですが、実施されていなかった学校も多いようです。

 

コロナ禍をきっかけに、今まで深く考えずに前年を踏襲してきた活動を「本当に必要?」と見直し、さらには「PTAってなんのためにあるの?」という根本的な部分から行事や加入のありかたを再考する人や団体も増えたのではないでしょうか。

Sさんの小6と小4のお子さんが通う小学校では、こんな変化があったといいます。

 

「新しくPTA会長になった方が他の学校の事例をたくさん調べた結果、行事はボランティアのみで運営し、集まらなければ中止すると提案。PTAも役員をくじ引きなどで強制的に決めることはせず、行事・活動ごとにボランティアを募り、人数に合わせてできることだけをすると発表しました。加入も任意でOKとのことでしたが、負担が少ないおかげでほとんどの人が加入しました」

 

また、小5のお子さんがいるNさんは、

 

「うちの小学校では、PTAの各活動に卒業生の保護者も参加できるようになったんです。私はガーデニングが好きなので今も週末や夏休みに花壇の手入れを手伝っているのですが、ひそかにわが子の卒業後も参加しようと計画中です」

 

と話します。

 

以前から「できる人ができるときに」をスローガンにするPTAは増えつつありましたが、コロナ禍の影響でますますその動きは広がっているように見えます。

変化3:オンライン化が進んだ

コロナ禍でもう1つ起こった大きな変化が「オンライン化」ではないでしょうか。

 

現在小3のお子さんがいるAさんは、小学校入学当時、初めてのPTA総会がWEB開催だったことに驚いたといいます。

 

「幼稚園時代にもPTAはありましたが、パソコンなんて触ったこともないという人ばかり。なんでも手作業・対面だったんですが…。コロナで在宅ワークになり、否応なくWEB会議ツールの使い方を覚えた人も多かったんでしょうね」

 

総会だけでなく、委員会ごとの会議や定例会も、通話アプリのグループで連絡を取り合い、書類もスマホで共有するといったやり方が普及してきた学校も多いようです。

 

他にこんな声もありました。

 

「毎年、PTA研修として子育て講演やヨガなどの体験講座があったのですが、2020年からはオンラインでの開催になりました。今までは下の子が小さかったので遠慮していましたが、自宅でピラティス体験が格安でできてちょっとうれしかったです」(Mさん・小3と4歳児と1歳児のママ)

おわりに

なにかと負担の大きさがクローズアップされるPTA。しかし本来は、保護者と学校側が出せる力を出し合って協力し、子供たちのためになることをしようという前向きな組織でもあります。

 

コロナ禍をきっかけに、それぞれの学校で、コロナ収束後にも持続可能なPTAの姿が見えてくると良いですね。

文/高谷みえこ

参考/神奈川県「「PTA活動のためのハンドブック」について https://www.pref.kanagawa.jp/docs/gt2/ptahandbook.html