日本全国に増え続けるデザインマンホールの人気を背景に、下水道事業に関わるボランティア組織「GKP(下水道広報プラットホーム)」が考案した「マンホールカード」なるものが話題になっているのを知っていますか?GKPに所属する日本水道新聞社の村仲さんにその魅力を伺いました。

マンホール愛を叫ぶイベントに5000人が集結

── 下水道事業を市民にPRするためにデザインマンホールが広がっていったという話を伺いました。GKPでは、他にどのような活動を行っているのですか?

 

村仲さん:
東京ビッグサイトで毎年夏に行われる「下水道展」をはじめ、「エコプロ」、「東京湾大感謝祭」などのさまざまなイベントに出展して下水道事業の広報をしたり、一般市民や学校などが主体となって行う「市民科学」の取り組みなどにも参画しています。「マンホールサミット」や「マンホールカード」もその取り組みのひとつです。

「下水道展」の様子
「下水道展」の様子

── 「マンホールサミット」はどんなイベントですか?

 

村仲さん:
蓋マニア(マンホーラー)やマンホールカードマニアが集まるイベントで、全国各地で開催しています。今年は11月に所沢市で3年ぶりにマンホールサミットが行われます。おそらく5000人以上の人が集まると思います。

過去最大の動員数を記録した北九州のサミット
過去最大の動員数を記録した北九州のサミット

サミットは、マンホーラーの人たちがこれまでに収集した珍しいマンホールを紹介したり、独自のマンホール研究について1人20〜30分で発表できる場です。マンホールと言っても、それぞれのマンホーラーが好きな分野がまったく異なるんです。

 

過去の発表で印象に残っているのは、漫画の中に描かれたマンホールを収集して、そのマンホールの実物を地道に探している人や、愛知県岡崎市にある内藤ルネさんのマンホールが大好きで何度も岡崎市に通って写真を撮って楽しんでいる方がマンホール愛を語る発表などですね。

マンホール蓋を模した鉄板でステーキの提供も
マンホール蓋を模した鉄板でステーキの提供も

古いマンホールの魅力に取り憑かれた方もいて、廃線になった鉄道の蓋をたまたま発見して、その蓋がその街の文化財センターに保存されたという方もいらっしゃいました。

 

発表会のほかにも、実物のマンホールやカードの展示、いろいろな物販が出店していて、蓋マニアはもちろん一般の方も楽しめるイベントになっています。過去には、マンホール型の鉄板で、ステーキを焼く屋台が出た年もありました。本物のマンホールほど厚みはないのですが、マンホールそっくりの鉄板ですから、マンホーラーにとったらたまらないのではないでしょうか。

マンホール型のどら焼きを販売
マンホール型のどら焼きを販売