生理を知れば会議のやり方も変わるはず

—— 夫として、父親としてはもちろん、働く女性と接する職場の上司・同僚としても生理について考える必要がありそうですね。

 

上原さん:
「働く女性と生理の悩み」も大きな課題です。生理が重い日は会社に行くのが辛く、プレゼンや大事な会議があれば、トイレにひんぱんに行くことができません。

 

それを上司や同僚に言い出せない状況が今の日本にあると思います。

 

生理は女性であっても理解が乏しいことも多いです。生理の重さや辛さには個人差があるので、軽い症状の女性は自分が基準になってしまう。

 

そのため、男性だけではなく女性の上司からも「生理くらいで休むなんて」「薬を飲んでいるはずでしょ」「サボってるんじゃないの」といった心ない言葉を掛けられる人もいるようです。

 

職場では男女問わず、悩んでいる仲間をサポートするスタンスで接してほしいと思いますね。

 

前述の通り、さまざまな症状を抱える女性がいたら、「生理かもしれない」と理解して配慮したり、声掛けをしてみたりといった具合です。

 

—— 「生理休暇」という話も聞きますが、なかなか取れていないのが現状ですよね。まだまだ「珍しいもの」という印象です。

 

上原さん:
そうですね。そういう意味では学生だけではなく、社会人になってからも、研修の一環として性教育を行ってもいいのではないかなと個人的には思います。

 

生理中にサポートしてほしい人もいれば、そっとしておいてほしい人もいます。

 

「こういう人もいる」「こういう悩みを抱えている人もいる」と、男女ともに知るための機会が必要ではないでしょうか。

 

そうすれば、今よりもっと生理の話がしやすくなると思います。誰でも休んだり、声を掛け合ったりすることが当たり前の社会が実現すればいいなと思っています。

 

PROFILE 上原桃子さん

医師・産業医。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。体と心の健康、未病の活動に尽力している。医師と患者のコミュニケーションを双方の視点から見つめ直すことを課題とし、働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。


取材・文/高田愛子