自閉症の娘・おはなちゃん(5歳)と過ごす日常を漫画にしている、かぴばらママさん(@lEEz2iqg2rr9cnd)。
先日公開した梅雨どきにおはなちゃんがパワフルにグズる様子と、その対応に疲弊するかぴばらママさんを描いた作品は、ツイッターで多くの共感を呼びました。
2022年は過去もっとも短い梅雨となりましたが、子どもの機嫌が悪い、でも原因がわからない…といったとき、「梅雨のせい」と思えれば、気持ちは少しラクになるかもしれません。
癇癪がひどく早朝ドライブでやり過ごす日々
おはなちゃんは、普段は穏やかな性格なのに、毎年梅雨どきになるとものすごく「崩れる」そう。たとえば、床で「ダンダン」と大きな足音を立てて大泣きしたり、午前3時過ぎにかぴばらママさんの髪の毛を引っ張ったり。
梅雨の間はアパートの住人に迷惑がかかのではと思い、早朝からドライブに連れていく日々です。
漫画には「デジャブ…?去年の6月と同じ…」と、疲れ切った様子のかぴばらママさんが描かれています。
では去年はどんな様子だったのでしょうか?
今年同様おはなちゃんは足で壁や床をドンドン、ダンダン。1時間ほどドライブをすると落ち着くも、自宅に戻るとまた大きな声を出します。
ある日、アパートの下の住人から「苦情のドン」が入り、「ごめんなさい!」と、そのまま早朝ドライブに連れて行くことに。
頼みの綱であるはずの旦那さんは仕事で忙しく、コロナ禍のため実家には頼れない状況。メンタルが限界となり、療育に頼る様子が描かれていました。
本当にデジャブのように繰り返されている、梅雨どきの強いグズり。コメント欄には「読んでいて泣いてしまいました」「娘の小さかったころとまったく同じ」など、共感の言葉が数多く寄せられています。
「自分が倒れない」をモットーに
梅雨どきは湿気も多く大人でも体調を崩しがちですが、かぴばらママさんはおはなちゃんを世話するまで「梅雨どきの体調不良」を感じたことはなかったそう。
漫画に寄せられたコメントを読んで、この時期、実に多くの子どもたちが不機嫌になったり体調を崩していることを知ったといいます。とくにおはなちゃんは言葉が話せないから、不快感を伝えにくい。だからより本人もしんどいんだと思い至りました。
寄せられたコメントのほかに、療育の先生に「梅雨どきはグズる子が少なくないので、疲れているお母さんはたくさんいる」と言われたことも大きな支えになりました。
そこでかぴばらママさんは、「梅雨のせいと達観し自分が倒れない」をモットーに過ごすように。さらに「(電気代を気にせず)除湿機をつける」「(おはなちゃんの)好物を切らさない」など、普段よりおはなちゃんの快適さを重視した生活スタイルを意識しているそうです。
おはなちゃんが成長し体が大きくなるにつれ、癇癪と向き合う日々は心身ともに本当に辛いそうですが、「梅雨のせい」と思えるようになったことで不安だった当初より気持ちはラクになったそう。
多くの親子を悩ます夏前に起こる、グズりや体調不良。原因不明のままでは「どうして、なんだろう?」「私の接し方が悪いのかな」と自分を責めてしまいがちです。「梅雨のせい!」と割り切ってしまえば、対処法や心持ちも変わってくるかもしれません。
取材・文/夏野久万 画像提供/かぴばらママさん