パソコンを使う人のイメージ

2022年6月16日(日本時間)ついに「Internet Explorer」(以下IE)のサポートが終了しました。

 

IEは、マイクロソフトが開発したウェブブラウザで1995年から使われていました。当時は「ホームページを見るならInternet Explorerをクリック」が定石であるほど高いシェア率を誇っていました。

 

サポート終了による影響と対策について解説します。

世間の反応

SNSには、世界中からかつてのIEを懐かしんだり、サポート終了を悲しむ人が続出し、追悼画像を作る人も。韓国ではお墓を作って追悼する人も現れています。

 

その一方で、IEのサポート終了を知らず、戸惑う声も挙がっています。IEを使い慣れた人にとっては、この先どうしたらいいのか悩みどころです。

 

また、会社のシステムがIEでないとうまく動かない企業もあるかもしれません。IEは特に官公庁のシステムで多く使われているため、対応ブラウザの変更が間に合っていないケースもあるようです。

IEモードのサポートは2029年まで

IEサポート終了は、マイクロソフトが新たに開発したウェブブラウザ「Edge」への移行を進めるためです。EdgeはWindows10から標準でインストールされているウェブブラウザです。

 

Edgeは2015年に発表され、その後マイクロソフトは移行をすすめてきました。そして2021年5月に、約1年後の2022年6月にサポートを終了することを発表しました。つまり、突然の終了ではなく、計画的に進められてきたのです。

 

IEからの移行が間に合わないウェブサイトのために、EdgeはIE対応のウェブサイトも表示できる「IEモード」を備えています。IEモードは2029年までサポート予定とのこと。しばらくはIEモードで乗りきることができそうです。

 

それでもEdgeに移行したくない人もいるかもしれません。しかし、今後はIEを起動しようとすると、Edgeが立ち上がるようになります。さらに、将来的にはWindows Updateにより、IEが無効になる予定です。

「お気に入り」は移行できる

サポートが終了したソフトウェアを使うことにはリスクがあります。この機会にEdgeへ移行してはいかがでしょうか。

 

もしくは、他の企業が提供しているウェブブラウザに乗り換える手段もあります。Googleの「Chrome」、 Mozillaの「Firefox」が国内ではよく利用されています。ウェブサイトからダウンロードし、手順に従えばすぐに利用できます。

 

Edge、Chrome、Firefoxの3つに関しては、IEの「お気に入り」やパスワードなどのデータを移行することができます。いつも見ていたウェブサイトや保存されたパスワードを変わらず利用できるのはありがたいですね。

 

もし、職場の上司や実家の両親など身近な人がまだIEを使っているようなら、そろそろ使えなくなってしまうことを伝えてください。サポートを終了したソフトウェアを使うことはセキュリティ面でリスクが高い上に、やがて消滅してしまいます。そして、他のウェブブラウザに早めに移行するように勧めてくださいね。

文/鈴木朋子