側近A、B役は「歴史を塗り替えたと思っています」
── 残念ながら町長役はゲットできませんでしたが、側近A、B役もとてもハマっていた気がします。
おたけさん:
でも、嘘でもいいから名前はつけてほしかったですね(笑)。
太田さん:
A、Bってつくと、どうしてもエキストラ感がでてしまって。
斉藤さん:
結果、町長役にはなりましたが、もし側近A、Bになったとしても、役をいただいたことをありたがく受け止め、全力で臨むことには変わりなかったと思います。二人のそういうところが、今回の敗因でもあるのかな、なんて思っている次第です。
太田さん:
でも、やっぱり名前がある役のほうが、テンションが上がるので…。
斉藤さん:
ん?僕のさっきの話が全然届かなかったのかな?ま、いいです。それだけ町長役への思いが強かったと受け止めていただければ。そう書いておいてください!
太田さん:
A、Bとつく役って、基本、セリフがないか圧倒的に少ないものだけど、今回の側近A、Bは、かなりセリフは多いです。A、B史上一番セリフがあったということで、A、Bの歴史を塗り替えたと思っています。
悩むドロリンへのアドバイスは傾聴か一喝か
── 北川景子さん演じるドロリンは、頑張っているのになかなか結果が出なくて悩んでいます。もしドロリンが近くにいたら、どんなアドバイスを送りますか?
斉藤さん:
僕は、そばにいて話を聞いてあげると思います。悩みの解決策って、自分の中ではある程度固まっていると思うんです。だから、特別なアドバイスはせず、寄り添って心を癒やしてあげるような存在になりたいと思っています。
太田さん:
僕のアドバイスはひと言だけ。ドロリンの目線に合わせて耳元で「甘えんな」って言います。
斉藤さん:
ちょっと!僕が寄り添うと言った後にそれ?極端すぎて僕の話が飛んじゃってなければいいけれど。すみません、両極端で。
太田さん:
誰もがいろんな挫折を経験し、自分のなりたいものになれる人もいれば、そうでない人もいる。
世の中はいろんなポジションがあって成り立っていること、その中で、自分のできることを最大限にやって、自分がなれる自分を好きになりなさい、という意味を「甘えんな」のひと言で伝えたいと思っています。
斉藤さん:
理由がつかないと、不安になるひと言でしたよ。今、ちょっとホッとしております。
厳しいアドバイスは家族以外の人から
── ご自身のお子様にもアドバイスは厳しめに?
太田さん:
いや、自分の子どもにはそんなふうに言ったことないです。甘々なので。
斉藤さん:
発言にブレがありますね。
太田さん:
家族になるとどうしても厳しさが直接伝わってしまう傾向にあるので。僕自身の経験から、家族じゃない人からの厳しい意見って、意外と大事だと思っているんです。
僕の場合は柔道の先生からの厳しい言葉は、素直に聞くことができました。同じことを親に言われると、距離感のせいなのか、素直に聞けなかったことも多かったので。
アンパンマンに助けられている場面は日常にたくさんある
おたけさん:
なるほどね。僕は、ドロリンのようなかわいい子がいたら、優しくしちゃいます。「おそばたべる〜?」って。
斉藤さん:
おたけは小さい子どもはうどんやそばが好きと思い込んでいて(笑)。ロケとかでも小さい子どもを見ると、前後の会話関係なく「おそばたべる〜?」って言ってますから。
太田さん:
ロケといえば、現場で子どもたちのご機嫌をとるときはアンパンマンを出す、みたいなところがあるのを、今、思い出した!
おたけさん:
さっきまでわんわん泣いてた子が、絶対に泣き止む。アンパンマンに助けられている場面って日常にたくさんあると思います。
<作品情報>
映画『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル』
公開中
配給:東京テアトル
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会 2022
取材・文/タナカシノブ