SNSの投稿に約20万のいいねがついた、壁一面のボタンを押しまくって遊べる島田電機製作所の「1000のボタン」。「1000のボタン」ができた経緯や、イチ押しのボタンについて、企画担当の小倉さんに教えてもらいました。
ボタンを押したい欲求に応える1000のボタン
── 工場見学で人気の「1000のボタン」ですが、なぜ始めたのですか?
小倉さん:
オーダーメイドのエレベーターの意匠器具を製作する弊社では、2018年から工場見学を行なっています。そこでこれまでに作ったエレベーターボタンが展示されているエリアを案内する工程があるのですが、子どもたちが展示されたエレベーターボタンを、楽しそうに押しまくるのです。
ボタンって「押してはダメ!」と言われると、子どもは特に余計に押したくなりますよね?小さい頃、「エレベーターのボタンを全部押してみたい!」「バスの止まれボタンを絶対に押したい!」など、押したいという魅惑に取りつかれた人も多いと思います。
それにヒントを得て、壁一面にあるボタンをとことん押しまくれる「1000のボタン」を作ってみようということになりました。
── なぜ1000個になったのでしょうか?
小倉さん:
数に特別な意味はありませんが、100個では少ない。「押しても押してもまだある」と思えるくらい、たくさんのボタンがあるのが良いのでは、と思い、実際には1048個になりました。
2020年9月に1000のボタンができてSNSにアップしたところ、約4万件のリツイート、約20万件のいいねがつき、話題に。そこから工場見学の依頼が以前よりも殺到し、ありがたいことに年内はすでに予約でいっぱいです。
── 1048個のボタンはどのようなものがありますか?
小倉さん:
ボタンの9割が実際に弊社で今まで作ったものです。エレベーターの開閉ボタンや階数のボタンは、みなさんにもなじみがあるのではないでしょうか。また、中国語が書かれたボタンは、中国のエレベーターで使われているボタンです。
残りの1割は、「1000のボタン」のために作ったオリジナルのボタンです。弊社のオリジナルキャラクター「ボタンちゃん」のボタンや、新幹線が描かれたものもあります。「楽園」が描かれたボタンは社員のアイデアです。「楽園」に行きたくなったら、ぜひピッと押してみてください(笑)。
── いちばん人気のボタンは?
小倉さん:
「絶対に!押すな」と書かれた、オリジナルの真っ赤なボタンです。押してもなにかが起こるわけではありませんが、「絶対に押すな」と言われると押してみたくなる人間の心理を逆手に取って作ったところ、大人気に。
お子さんはたいてい押しますね。このボタンを押したらなにかが天井から落ちてくる…なんて仕掛けを、いつか作れたら楽しいな〜と思っています(笑)。