現在、出産をすると子供1人あたり42万円の「出産育児一時金」が加入している健康保険を通じて支給されます。以前から引き上げ案は出ていましたが、いよいよ来年(2023年)に42万円から50万円に引き上げが実現しそうです。

 

しかし、この一見よさそうな案に対して、これから出産育児を迎えるママ・パパたちからは疑問の声があがっているとか。

 

そこで今回は、20~40代の子育て世代の男女50人にアンケートを実施し、本音を聞かせてもらいました。

出産育児一時金とは?

出産一時金(正式名称:出産育児一時金)は、健康保険に加入している人が出産したときに、経済的な負担を軽減するために子供1人につき42万円が支給される制度です。

 

現在の制度では妊娠出産はケガや病気ではないとされ、健康保険が適用になりません。

しかし実際には出産には数十万円ものお金がかかるため、安心してお産ができるようにと考えられた制度が「出産育児一時金」です。

 

ひとまず妊産婦側がお金を払ってあとから振り込まれる「直接申請」、直接産院に健康保険組合から支払われる「直接支払制度」と「受取代理制度」の3種類があります。

 

2006(平成18)年から、段階的に30万円、35万、38万…と42万円まで引き上げられてきましたが、今も都市圏を中心に「42万円でもたりない」という声は聞かれます。

50万円になったらどう?ママパパに聞いてみた

今回は、現在結婚していて子供がいる・あるいはこれから子供が欲しいと思っている男女50人に、この出産一時金が8万円増えることをどう思うか聞いてみました。

 

すると、もっとも多かったのが、「そこじゃない」という反応でした。

 

「出産はたしかにお金がかかりますが、1回きりのこと。それに対しておむつやミルクは何か月もずーっとかかるお金なので、そちらに使えるクーポンなどのほうが助かります」(Eさん・1歳児のパパ)

 

「他の制度や支援が充実している上での出産一時金上乗せであれば素直に嬉しいですが…児童手当や幼保無償化など、あと出しでどんどん所得制限かけてますよね?しかもそれと引き替えに消費税は上がったのに手当は消えて、もともと予定してた計画は狂いまくり。たった8万円増えても焼け石に水です」(Yさん・5歳児と2歳児のママ)

 

「まさに”一時”金ですよね。それよりも、安定した収入が得られる仕組み作りや、高すぎる教育費・塾に行かないと就職に有利な大学まで到達できない社会などを改善しないと」(Fさん・1年生と5歳と3歳のパパ)

 

といった、より継続的な子育て環境の改善を望む声がいくつもありました。

 

また、

 

「上の子とお腹の子は5歳離れているのですが、同じ産院でも出産費用がかなり値上げになってます!8万増えれば値上げ分をカバーできると思ったけど、もしかしてそのタイミングでさらに8万値上げされるのでは…?」(Kさん・5歳児と妊娠8か月のママ)

 

と、出産費用の値上げで、産む側にとっては何も変わらないと指摘する声も。

 

「今の時代、医療機関にいっさいかからず家で出産する人なんてゼロに近いんだから、もう検診も出産も医療行為と見なして保険適用でよくないですか?豪華な食事とかエステとかは、もしそうしたければ実費で払うってことで」(Uさん・妊娠7か月)

 

と、根本的な出産全体のお金を見直すべきという声もありました。