山形の伝統野菜が繋いだ出会い
—— 現在、「野菜ソムリエプロ」としてどのような活動を行っていますか?
緒方さん:
神奈川新聞で隔週の連載を担当しています。以前書いていた小学生に食と農を教える雑誌『ちゃぐりん』でもそうでしたが、連載では野菜に関するクイズや、保存法や名前の由来など、野菜にまつわるさまざまな知識について書いています。
他にも、各県の農政局や国の農研機構などのイベントで、野菜のアンバサダーなどをしています。そのため、野菜についての最新の情報を得ることができるようになりました。と同時に、色々な人が湊の野菜についての話を聞いてくれるようになりました。資格を得ることで、野菜に関わるさまざまな人と会う機会が増え、湊の世界がぐっと広がったように思います。
—— 「野菜ソムリエプロ」の活動のなかで特に印象に残っている体験があれば教えてください。
緒方さん:
山形県に「甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)」という伝統野菜があります。室町時代から400年以上にわたって代々、ある一軒の農家だけに受け継がれてきた里芋で、普通の里芋よりも細長く、滑りが多く、柔らかいという特徴があります。
テレビでその存在を知ってからというもの、「甚五右ヱ門芋」は湊の大好物になりました。きぬかつぎ、コロッケ、芋煮など、どのように調理しても美味しいんです。湊が何度かテレビで「甚五右ヱ門芋」について紹介するうちに、農家の方から連絡があり、お会いすることになりました。
それ以来、農家の方が「甚五右ヱ門芋」を毎年送ってくださるように。いっしょにPR活動をしようということになり、その地域の小学校で講演したり、観光大使をさせて頂いたりと、貴重な経験につながっています。
——「甚五右ヱ門芋」、食べてみたくなりました!最後に、湊くんが今気になっている野菜や果物について教えてください。
緒方さん:
野菜は、香川県の「三豊なす」です。一般的な千両なすの3倍の大きさで、丸々っとしています。蒸すととても美味しくなります。
果物は、宮崎県の「新富ライチ」です。国内では希少な生ライチで、収穫は1年のうちたったの2か月。毎年6〜7月に出荷されます。糖度15度以上と甘く、一粒40〜50グラムで、価格は1粒1000円だそうです。みなさんも機会があればぜひ食べてみてください。
取材・文/酒井明子