最年少で資格「野菜ソムリエプロ」を取得したことでも話題になった、中学3年生の緒方湊くん。テレビ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」のテレビ出演だけでなく、国の研究機関で広報アンバサダーも務めるなど“野菜博士”として大活躍中です。湊くんが野菜に興味を持ち、現在のように活動するようになるまでを、父親である緒方智さんに伺いました。

「食べたい!」がすべての原動力

—— 現在、「野菜博士」として活躍している湊くんですが、いつから野菜に興味を持ち始めたのですか?

 

緒方さん:

3歳からです。湊はなにか好きなことができると、とことん夢中になるタイプ。1歳半で電車、3歳で魚や野菜、7歳からは歴史にハマっています。

幼い頃の湊くんは撮り鉄だった!
幼い頃の湊くんは撮り鉄だった!

湊はとにかく食べることが大好き。野菜以外にも肉も魚もよく食べます。

 

歴史は大河ドラマをきっかけに、特にお城に興味を持ちました。籠城し、飢えを凌ぐために庭に銀杏の木を植えていたり、食べられる畳を使っていたなど、お城を通して改めて食についても学んでいるようです。

 

—— 湊くんが野菜好きになったきっかけは?

 

緒方さん:

テレビで自分の知らない野菜や果物が紹介されていて、それを「食べたい!」と思ったことがきっかけです(笑)。観光地「日光」と「梨(り)」を組み合わせた栃木の赤梨「日光梨」=「にっこり梨」や、通常のナスよりも長くてその大きさに思わずたまげる(=びっくりする)、山口の伝統野菜「萩たまげなす」など、スーパーで流通していない珍しい野菜を食べたい、とねだるようになりました。

山口の伝統野菜「萩たまげなす」
山口の伝統野菜「萩たまげなす」

そこで野菜図鑑を買ってあげたところ夢中に。食べたことのある野菜にひとつひとつ丸をつけていましたね。「もっと色々な野菜を食べたい!」と言うので、小学1年生の頃に貸し農園を借りて野菜づくりを始めました。自分で作ることで、より野菜の世界にのめりこんでいきました。

畑で収穫したトマトにかぶりつく湊くん
収穫したトマトにかぶりつく湊くん

現在では家の本棚に100冊以上の野菜関連の図鑑があります。子ども向けの一般的な図鑑もありますが、年齢が上がるにつれて、伝統野菜や野菜の花、ヤーコンだけを掲載した本など、読むものがどんどん専門的になっています。

 

—— 最年少で取得した資格「野菜ソムリエプロ」は、なぜ受けようと思ったのですか?

 

緒方さん:

あまりに湊が野菜に詳しいため、貸し農園にいたインストラクターの方が「野菜に関する試験を受けてみないか」と提案してくださったのです。

 

それが「日本農業検定」でした。「にんじんとは?」といったものから「食料自給率とは?」まで、野菜だけではなく、幅広く「食」に関する基礎的な知識を測る検定で、レベルに合わせて1〜3級まであります。

 

湊は小学校の2年のときに3級に合格しました。このおかげで、もっと難しいものに挑戦したいという気持ちに。そして野菜検定1級・2級・3級に合格。インターネットで探してみたところ、資格「野菜ソムリエ」に出合いました。

「野菜ソムリエプロ」に最年少で合格!

「野菜ソムリエ」の資格はレベル順に「野菜ソムリエ」「野菜ソムリエプロ」「野菜ソムリエ上級プロ」の3つがあります。まずは、野菜と果物の知識を身につけることで、その魅力や価値を広めることができるスペシャリストになるための資格「野菜ソムリエ」を8歳で取得しました。

 

その次に、「野菜ソムリエプロ」を目指しました。こちらは「職業=野菜ソムリエ」として活躍できるもので、野菜や果物のプロとして企業や自治体と仕事をしたり、メディアに出演することができます。湊は10歳のときに合格しました。合格した年齢が最年少だったことで、皆さんが注目してくださるようになりました。

 

—— 資格を取得するための勉強は大変でしたか?

 

緒方さん:

「日本農業検定」と「野菜検定」「野菜ソムリエ」は、特別な勉強をすることなく合格していました。ただ「野菜ソムリエプロ」の試験には、大人向けのビジネスマナーなどの内容があり、それを覚えるのは苦戦していましたね。