大人が抱えやすいモヤモヤについて、臨床心理士の八木経弥さんにお話を伺いました。今回は、なんでもはっきり口にする義母の言動にストレスを感じている女性の相談にお答えします。

【Q】 はっきり口にするタイプの義母にイライラ…

義母はなんでもはっきり口にするタイプです。先日、うちへ来たときには、部屋に上がって開口一番「まあ〜、なんて汚い部屋。仕事が忙しいなら、家事代行を頼んだら?」と言われました。

 

私にだけでなく、孫にもはっきり言います。孫が「将来、ピアニストになりたい!」と言うと、「ピアニストなんてなれないし、夢ばかり見ていたら生活できないわよ。勉強しなさい」と。「小さい子どもなんだから夢くらい見させてあげてよ」と私は思うのですが…。

 

「義母の言うことなんて気にしない!」と心に決めているのですが、会った日の翌日には必ずといっていいほど頭痛が起こります。心の守り方を教えてください。

「心のゴミの例え」を使ってストレスを解消して

この状況はしんどいですよね。相談者さんは「気にしないと決めている」とおっしゃっていますが、目の前で言われても気にしないというのは、なかなか難しいことだと思います。

 

まずこのお姑さんのことから考えてみましょう。なぜこんなふうに言ってくるのでしょうか。きっと彼女なりにストレスを溜めない工夫をしているのでしょう。

 

「なんでも口にするタイプ」とのこと。投げかけてくる言葉に深い意図はなく、心に溜まったゴミをポイポイ投げている状態だと考えられます。相談者さんがそのゴミを投げ返してこないので、口に出すことで心をスッキリさせている可能性は高いです。お姑さんなりにいろいろなところで苦労していて、心のゴミを溜めてきているのでしょう。

 

とはいえ、夢を否定されたお子さんも言葉で傷ついていますよね。なので「心のゴミの例え」を使って、こんなふうに説明しておくといいでしょう。

 

「おばあちゃん、きっといろんなことで心が疲れていて、心にゴミが溜まっているの。だからトゲトゲ言葉が出ちゃうんだよ。あなたも心にゴミが溜まっていると、ついトゲトゲ言葉が出ちゃうよね。だからね、おばあちゃんはあなたのことを否定しているわけではないんだよ。大丈夫だからね」

 

などと、伝えてあげるとお子さんの心を守ってあげられると思います。