私たちが医療機関でよく利用する健康保険。実は知っているとお得な使い道があるのです。少し足を伸ばしたくなるこれからの時期に向けて覚えておきたい使い方を、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに伺いました。
健康保険で提携宿泊施設をお得に利用
私たちが医療機関で提示している健康保険証。あまり知られていませんが医療機関以外でも、実はさまざまな恩恵を受けることができます。
会社員の健康保険の場合、会社ごとにそれぞれ所属している組合が異なります。そのため組合によって利用できる内容も違いますが、大手の企業ほど手厚い傾向にあります。
利用できる特典として多いのが、「保養施設の利用」です。組合が保有・提携している保養施設であれば、利用料金が安くなったり、補助金をもらって利用することができます。
例えば関東ITソフトウェア健康保険組合では、契約しているJTB契約保養施設、公共の施設、ITS旅行センター契約保養施設の利用時に、一泊最大5000円の補助がもらえます。
組合によってはアミューズメントパークの入園料や温泉施設の入館料の割引、高級寿司屋のコースをリーズナブルな価格で利用できることもあるので、自分の会社の健康保険について一度調べてみるといいと思います。
国民健康保険で安く利用できる施設も
これだけ聞くと、会社員ではない国民健康保険では特典を受けることはできないのでは?と思うかもしれません。国民健康保険に加入している方は、それぞれの市区町村が提携している保養施設をチェックしてみましょう。
保有している保養施設や割引料金、適用される人数は市区町村によって異なりますが、お得に利用できるケースがあります。
市区町村が提携していると聞くと、保養施設がその地域にしかないと思われがちですが、そうでもありません。例えば東京都杉並区が提携する保養施設は、福島県、群馬県、山梨県など、色んなエリアにあります。市区町村の提携保養所や助成は、在住者、在勤者なら誰でも使えるものも、国民健康保険に加入している人だから利用できるものもあります。在勤・在住者として使えるもの、健康保険加入者として使えるもの、両方チェックしてみてください。
また、「宿泊保養施設」と聞くと、「古い」「キレイではない」という印象を抱く人もいるかもしれません。そうしたケースもありますが、一般の旅行予約サイトから予約できるホテルや宿も多くあります。
不安な場合は旅行サイトや施設のホームページなどで調べてから予約するのが、安心です。今後、旅行などで宿泊予約を考えている人は、選択肢のひとつに入れてみるのはいかがでしょうか。今までと同じ施設でも、少しお得に宿泊できるかもしれません。