前回は「 オムレツの作り方【極弱火で黄身が溢れ出す】 」をご紹介しました。卵料理特集最後となる今回は、究極の卵かけご飯をご紹介します。もちろん生卵に醤油をかけて食べるだけでも美味しいのですが、贅沢に卵黄だけをのせて食べるのはいかがでしょうか。
今回は、卵黄の醤油漬けをはじめ、味噌漬けや塩麹漬けの作り方もご紹介します。シンプルですが、ひと手間かけるだけで卵黄が琥珀色に輝き、食欲をそそること間違いなしです。引き続き、フードコーディネーターの田頭志保さんに教えていただきました。
卵黄の醤油漬け(1個分)の材料と作り方
【材料(1個分)】
卵…1個、醤油・みりん…各大さじ1
【作り方】
① 卵をボウルに割り入れ、手で黄身だけをすくいます。
→卵の殻で白身と黄身を分ける方法もありますが、殻で黄身を崩してしまうこともあるので注意が必要です。
② 醤油とみりんを容器に入れて混ぜたら、黄身を加えます。
→複数作る場合は、黄身が割れるのを防ぐためにも、黄身1つにつき容器1個を用意しましょう。
③ ラップをして冷蔵室へ入れます。
④ 好みの味になるまで漬けたら出来上がりです。
→写真(左)は4時間、写真(右)は1日漬けたものです。4時間〜1日くらいだと黄身がまだとろっとしているので、ご飯のお供にぴったりです。ちなみに、2日ほど漬けるとねっとりとしたゼリー状になり、味もさらに濃厚になります。お酒のおつまみにもおすすめです。
保存する場合は冷蔵保存で3〜4日のうちに食べましょう。
卵黄の味噌漬け(3個分)の材料と作り方
【材料(3個分)】
卵黄…3個、味噌…150g、酒…大さじ1
【作り方】
① 味噌150gを小さめのボールに入れ、酒大さじ1を加えてのばします。
② 厚手のキッチンペーパーを保存容器の大きさに合わせて2枚カット。1枚には味噌1/3程度を全体に塗ります。
→エンボスタイプ(薄い紙)のキッチンペーパーは浸透しにくいので、フェルトタイプのキッチンペーパーを使いましょう。ない場合は、ガーゼでも代用できます。
③ 保存容器に残りの味噌2/3程度を入れて厚さが均等になるようにのばします。
④ ③の上に味噌を塗っていない厚手のキッチンペーパーをのせ、スプーンで卵黄を置くためのくぼみをつけます。
⑤ くぼみに卵黄をのせます。
⑥ 卵黄の上に味噌を塗った厚手のキッチンペーパーを、味噌を塗った面を上にしてのせます。
⑦ 保存容器に蓋をして冷蔵室へ入れます。
⑧ 1〜4日くらい漬けたら食べごろです。
→「そのまま食べても美味しいのですが、熱々のご飯の上にのせると、水分が抜けて堅くなった卵黄が少し柔らかくなり、それがまた美味しいんです」と田頭さん。
1日漬けたものはまだ黄身の柔らかさが残っていて味噌の味も感じられますが、4日漬けたものは硬いゼリー状の食感で味も濃厚です。好みにもよりますが、ご飯のお供には1〜2日、お酒のあてには3〜4日漬けたものが合いそうです。
卵黄の塩麹漬け(3個分)の材料と作り方
【材料(3個分)】
卵黄…3個、塩麹…100g
【作り方】
味噌漬けと同様の作り方で、塩麹漬けも作れます。
小皿で1個ずつ作ることもできるので、気軽に楽しめます。小皿に塩麹を入れ、その上に厚手のキッチンペーパーをのせます。その上に卵黄をのせ、厚手のキッチンペーパーを塩麹を塗った面を上にしてのせます。そのまま冷蔵庫で漬けたら完成です。キッチンペーパーは、卵黄が崩れないよう優しく剥がしましょう。1〜2日漬けたら食べごろです。
卵黄漬けは、漬ける時間によって味わいも食感もかなり変わってくるので、ご自身でもいろいろ試してみると楽しいですよ。
PROFILE 田頭志保(たがしら・しほ)
フードコーディネーター・フォトグラファー。大学卒業後、新聞社にてカメラマンとして勤務。その後、料理と写真のテクニック、それに携わるフードコーディネーターの仕事に惹かれ、専門学校にて学ぶ。テレビや雑誌で現場技術を取得する傍ら、ロンドン〜中東での料理研究、写真活動を経て、現在フォトグラファー、フードコーディネーターとして活躍中。https://shih5589.wixsite.com/shiho-tagashira
取材・文/田川志乃 撮影/菅井淳子