赤ちゃんの寝返りは、早い子では生後3か月頃から「もう寝返りした!」などの声を聞くこともある一方で「5か月過ぎても寝返りしない…」と心配するママもいて、個人差が大きいのが特徴です。
今回は、一般的な赤ちゃんの寝返りの時期や、なかなか寝返りしなかった赤ちゃんのママの体験談、練習はさせた方がいいの?という疑問などについて考えてみます。
赤ちゃんはいつから寝返りできるようになるのか
母子手帳(母子健康手帳)の「保護者の記録」ページを見ると、「6~7か月頃」に「寝返りをしますか。」という質問が登場します。
ただ、母子手帳にある各項目は、必ずその時期にできていないといけない、できないと何か問題がある…という意味ではありません。
「この時期に寝返りできる子の割合が多い」という一つのめやすとしてとらえておけば良いでしょう。
なかなか寝返りしないうちの子…大丈夫?
寝返りは個人差が大きいとはいえ、検診などで周りの赤ちゃんが器用に寝返りする姿を見ると、なんとなく焦ってしまいますよね。
「6か月の娘がいます。支援センターで、同じ月齢の子数人とよく遊ぶのですが、周りは早い子で4か月に入ってすぐできて、他の子も5か月終わりには全員寝返りできているのに、うちの子だけまだ寝返りする気配がありません。お座りはできるのに…」(Yさん・29歳・6か月の女の子のママ)
「7か月ですが、まだ寝返りしません。うつぶせにしてみるとそれなりに腕で上半身を支えていられます。しかも、その姿勢からおなかを基点に向きを変えたり、ずりばいらしき動きまでできるのに…体は大きい方なので、体が重くて寝返りできないのかな?」(Eさん・33歳・7か月の男の子のママ)
と、心配するママもたくさんいます。
なかなか寝返りしなかった赤ちゃん、その後の発達は?
赤ちゃん時代、なかなか寝返りをしなかった子は、その後、寝返りできるようになったのでしょうか?また、他の点やその後の発達で気になることはないのでしょうか。
「うちの子は赤ちゃん時代なかなか寝返りしなかった」と話す先輩ママに聞いてみました。
「長男が赤ちゃんの時は、7か月頃からおすわりもハイハイもできていたのに寝返りだけできなかったんですよ。どこか骨格などにおかしいところがあるのじゃないかと心配でしたが、検診では特に異常なしと言われていて…忘れた頃に、たぶん1歳前とかに、ある日突然寝返りをして、その後は他の子と変わらないですね」(Fさん・40歳・10歳と8歳の男の子のママ)
「長女は寝返りが7か月、ハイハイもつかまり立ちも、全体的にゆっくりめでした。比べて下の子は何もかも早く、生後3か月の終わりごろにはコロコロと寝返りして部屋の向こうまで行ってしまったり、オムツを替えようとすると高速で寝返りして逃げ出したりで大変…!正直、もう少しゆっくりでもいいのにと思いましたよ。ことばや読み書きは長女の方が早かったので、どちらも個性だと思っています」(Hさん・38歳・7歳の女の子と5歳の男の子のママ)
寝返りの練習は必要?時期とやり方は?
検診で特に異常がない場合、寝返りが遅くても基本的には練習させる必要はなく、赤ちゃんが自分から寝返りする時期を待てばよいとされています。
あおむけに寝かせていると退屈でよく泣くという場合は、遊びの中で少し寝返りの動きを取り入れてみる程度で十分ではないでしょうか。
その子によって寝返りしやすい向きがあるはずなので、その側に気になるおもちゃを置いたり、ママがあおむけに寝て、おなかの上に赤ちゃんもあおむけに寝かせ、ゆっくり体を左右に動かして景色が移り変わる様子を見せてあげるなどの方法がおすすめです。
寝返り練習中の赤ちゃん、気をつけるべきことは
大人が手伝わなくても、時期がくればほとんどの赤ちゃんは自分で寝返りの練習を始めますが、最初のうちだけはいくつか注意する点があります。
窒息に注意する
寝返りはできても、その姿勢から元に戻るための、いわゆる「寝返り返り」ができないうちは、寝返りした先に布団などがあり顔を埋めてしまうと窒息の危険性があります。
最初のうちは特に、赤ちゃんの周囲にクッションや大きなぬいぐるみなど、窒息の原因になりそうなものを置かないように気をつけましょう。
手や足を引っ張らない
赤ちゃんは大人と比べて関節や靭帯が柔らかいため、手足を引っ張って寝返りを手伝おうとすると、体の重みに耐えられず関節を痛めてしまうおそれがあります。
ママはおそらくしないと思いますが、パパや上の子が、あと少しで寝返りできそうな赤ちゃんを見ていて、待ちきれずに手を引っ張ってしまうことがないとは限りませんので注意して下さいね。
まとめ
寝返りは、赤ちゃんの性格や体型などにより個人差がありますが、ほとんどの場合、寝返りが遅くてもその後の発達には何の問題もないことが分かっています。
周囲から「寝返りはまだ?」と心配されることもありママは気が休まりませんが、できるだけ赤ちゃんの自然な発達を尊重して見守ってあげたいですね。
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文/高谷みえこ
参考:厚生労働省「母子健康手帳について」