38-1

予定日は決まっていても、お産は急に訪れるものです。 そこで、出産後に気を付けるべきことや、注意点を解説します。

 

出産後自分がどうしているのか、またどう過ごせばいいのかをある程度想像できると慌てずにすみそうで便利ですよね。

産後の過ごし方は日数によって異なる

産後2週間ほどまでは出産した体をいたわるために、安静にして過ごしましょう。赤ちゃんに必要なお世話に専念し、家に帰っていても家事は家族に任せるようにします。

 

生まれて間もない赤ちゃんにしてあげるのは、主に授乳とオムツ替えです。そのほかの時間は布団に横になっているようにしましょう。入院中と変わらない程度の生活レベルを心がけましょう。

 

注意点としては、お風呂で湯船に漬かるのはよくありません。入浴する際はシャワーだけにします。


産後3週間が過ぎると、いわゆる「床上げ」になります。 体が十分に回復していなければこれまでのように布団を中心とした生活で構いませんが、動けるようなら家事をしても大丈夫です。

 

ただし動き回りすぎると体調不良を訴える人が多くなります。疲れたら布団に横たわって休憩するようにしましょう。長い立ち仕事は控えた方が無難です。

 

産後4週間は体が回復し、少しずつ元の生活に戻れるタイミングです。どの程度家事を行ってもいいのかなど、疑問点があれば産後の1カ月検診でかかりつけ医に質問するようにしてみてください。事前に質問をまとめておくと医師の診察を受ける時にも慌てずにすみます。

 

産後1カ月検診で体調が正常であると診断されれば床上げもできます。また、湯船につかることも可能になります。清潔なお湯を使いたいので1番風呂に入りましょう。

 

短時間の外出も可能になる時期ですが、体のことを考えると遠出はまだ早いです。夜中の授乳やお世話に備えて、睡眠がとれるときは赤ちゃんと一緒になるべく多く昼寝をするようにしてみてください。

 

産後5週間は普段のペースを取り戻せる時期です。つわりの頻度や体調を気にしながら、適度に休息をとり無理をせずに過ごしましょう。

 

女性が出産してから6~8週間の間を産褥(さんじょく)期といいます。妊娠と出産をすると体は大きく変化します。産褥期は出産のために変化した母体を回復させるために大切な期間です。出産直後ほど周りの人も気を使わないかもしれませんが、できるだけ休みたい時期なので頼れることがあれば周囲の人に頼るようにしましょう。

 

経過が順調であればストレッチなど、軽い運動ができます。 医師の診断によっては職場復帰も可能な時期です。ですが本来は産後8週間までは働くことは控えて、体をいたわったほうが良いでしょう。

 

里帰りを希望する人もいると思いますが、母子ともに長時間移動するのは大変です。どうしてもという場合は、誰かに付き添ってもらって行動しましょう。

 

傷ついた体のケア方法

産後に休養をとるようにすすめられるのは出産後の母体が傷ついているからですあり、自宅での休養は傷を癒やすという意味があります。そこで、 傷ついた体のケア方法をご紹介します。

 

産後痛は子宮が正常に退縮しているという回復が進行中の証拠ですので怖いものではありません。中には、産後の痛みがひどい人がいます。痛みを感じたらゆっくりと深呼吸をしたり、マッサージをしたりするなどして体をケアしましょう。

 

痛みが続く場合は医師の診察を受けます。もし帝王切開をした場合は清潔でよく乾いた衣類を着用するようにし、退院する前に病院で受けた指導に従ってケアします。

 

出産の際に会陰切開を行いますが、 産後は傷口から細菌感染する危険性があります。 生理用のナプキンを用い、4時間から6時間おきを目安に新しいナプキンと交換します。

 

直腸のバクテリアが膣に到達して感染する恐れがありますので、ナプキンを外す際は前から後ろに外すように心がけます。

 

トイレに行った際も会陰部にぬるま湯をかける、ガーゼパッドを用いて乾かすなど清潔にする工夫をしましょう。トイレットペーパーで拭く際も前から後ろに引くようにしてください。

 

湯船に漬かれる時期になったら腰湯をしたり、温湿布を貼ったりすると傷の回復が促されます。血行をよくすると傷の治りが早くなりますから、ケーゲル体操などをして患部まで血が巡るようにしましょう。

 

38度以上の熱が続く、分娩4日目以降に大量の鮮血が出る、下腹部の周辺が痛む、 会陰部もしくは帝王切開の傷口に赤みや熱、腫れや膿が見られた場合などは、医師の診察を受けましょう。最初は、心配ですが、母体には回復するプログラムが体の中に備わっているためで、母体は驚くスピードで回復します。そういう意味で出産は病気ではないのです。 ただ回復するためにそりなりの時間が必要になることは覚えておいてください。

38-2

出産前にゴールを決めましょう

赤ちゃんを産むとそれまでの生活とは一変します。何しろ生まれたての赤ちゃんはか弱い生き物ですから目を離すと命の危険にすぐにさらされてしまいます。

 

出産後どうすればいいか、赤ちゃんを産む前に知っておけば、パニックにならずに対処できるでしょう。まずは、出産後元気に退院して家に帰れるのを第一のゴールとしてみてください。

 

その後、自宅に戻ってからも、新米ママがやるべきことは山ほどあります。そう考えると、出産に対して面倒だ、怖いという印象をもってしまう人もいるかもしれませんが、あらかじめ知識として知っておけば、いたずらに不安になったり、戸惑ったりしないで済みます。新しい命を迎えて、母子ともに健康でいられるように、家族で協力し合って出産直後の状況を乗り越えましょう。