4月25日に三菱電機から発売された「三菱ブレッドオーブン TO-ST1」は、食パンを1枚だけ焼くのに特化したトースターです。1枚焼きなんて我が家には向かない――そんな声も聞こえてきそうですが、三菱ブレッドオーブンで焼いた食パンを食べると、いまあるトースターの買い替えを検討したくなるかもしれません。 かくいう筆者も「1枚焼きねぇ…」と思いながら使い始めたのですが、実際に三菱ブレッドオーブンでトースト、ハムチーズトースト、フレンチトーストを焼いて、その実力をチェックしてみることにしました。
庫内をしっかり密閉して水分を閉じ込める
三菱ブレッドオーブンが一般的なトースターと大きく異なるのは、その箱型の形状です。一見するとトースターとは思えないような木目調のデザインは、ダイニングテーブルに置いても違和感がありません。
フタを開くと、小さなプレートが。プレートとフタ部分にはフラットヒーターが入っており、上下から食パンを加熱する仕組みです。
操作は前面のボタンで行います。トースト/冷凍トースト/トッピングトースト/フレンチトーストの4つのメニューからモードを選択したら、厚さと焼き色を選びます。最後にスタートボタンを押せば、加熱が開始するというシンプルな操作性です。
5枚切りの常温の食パンを「ふつう」の焼き色で焼くこと約2分半、完成と同時にフタを開けた途端にトーストの香ばしい香りが漂います。この香りの良さはこれまでのトースターでは感じることのなかった経験です!
焼き立てのトーストを手に取って驚いたのが、パンの耳の柔らかさです。普通はここまで焼き目が付いていると耳部分も硬くなっているのですが、とにかくふんわりしています。食べてみると、耳がしっとり柔らかいだけでなく、なかもふわふわ。表面だけがカリッとしていて、あとは生の食パンのように水分がしっかり残っているんです。
ふつうモードで焼くと2~3分で焼き上がるので、家族が3~4人いてもなんとか許容範囲。どうしても朝はのんびりしていられないなら、休日だけは三菱ブレッドオーブンでゆっくりトーストを楽しむというのもひとつの手かもしれません。
フライパンでは焦がしがちなフレンチトーストに挑戦
続いて試してみたのがハムチーズトースト。こちらは「トッピングトースト」のメニューで焼いていきます。ハムチーズなら焼き色は薄め、ピザはふつう、たまごマヨは濃い目といったように、トッピングの種類に合わせて変更するといいそうです。
こちらもトーストと同様、耳までしっかり柔らかく、パンの内部がしっとりしています。今回はおかず系のトッピングトーストにしましたが、りんごをトッピングして焼きリンゴにしたり、ツナサラダを載せてみたりと、いろいろなアレンジが楽しめそうです。 さらに、三菱ブレッドオーブンの真骨頂ともいえるのがフレンチトースト。プレート部分にバターを塗り、卵液に浸して下ごしらえした食パンを載せて「フレンチトースト」のメニューで焼くと、約10分で完成しました。
このフレンチトーストがとにかく絶品! 絶妙なとろふわ具合なんです。フライパンでフレンチトーストを焼くと、つい焦がしてしまったり、はたまた焦げないように気を使いすぎて中心部が上手く温まっていなかったりしがちですが、三菱ブレッドオーブンを使えばそんな悩みは不要。おそらく、ワタシ史上最高のフレンチトーストが焼けたといっても過言ではありません。 唯一、悩みを挙げるとすれば、プレート部分が丸洗いできないことです。トーストを焼く際にプレートはほとんど汚れませんが、フレンチトーストを焼くときはバターを塗るので、使用後にきちんと拭き取るのを忘れてはいけません。また、トーストを焼く以外の用途では使えないので、オーブン感覚で使えるものを探している人にも不向きですね。 販売価格は約3万円前後(税抜)と、これまでの高級トースターよりもさらに高級路線を貫いています。最高のトーストを食べたい――そんなシンプルな望みを叶えたい人は三菱ブレッドオーブンという選択肢も検討してみてください。
【三菱ブレッドオーブン TO-ST1】
外形サイズ:幅270×奥行223×高さ140mm
庫内サイズ:幅192×奥行142×高さ44mm
本体質量:約3.1kg
https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/breadoven/
文/今西絢美 撮影/篠田麦也