子どもにとって習い事は、学校以外でさまざまな経験ができる貴重な場。親としても子どもの頑張りを応援したいものですが、団体スポーツなどでは時に親同士がアツくなってしまうことが。子どもの習い事を巡るトラブルについて見ていきましょう。
習い事で起きる親同士のトラブルとは?
子どもに水泳を習わせている母親は、ママ友から聞いたという噂に驚きを隠せません。「うちの子どもは水泳だから聞かないけど、サッカーや野球など団体スポーツを習わせている親は大変らしいですね」「子どものレギュラー争いで、保護者同士がギスギスしてると聞きました」とコメント。親同士が揉める光景について、「よくあることなのでしょうか…」と疑問を感じています。
子どもに習い事をさせているママたちからは、「結構あるあるの光景ですよ」「保護者にとって避けては通れない道かも」と多くの賛同が集まりました。小学生の娘にバレーボールを習わせているママによると、「どうしてあの子がスタメンで、うちの子が補欠なの?」「うちの娘はすごく練習してるのに納得がいかない」と起用法に関する不満は止まらないそう。
またサッカーでは「フォワード」「キーパー」などのポジションが明確なため、「今のチャンスシーン、うちの子なら決めてたと思うんだよな」「うちのチームが負け続けているの、キーパーの子があまりに止められないからじゃない?」など露骨な批判が飛び交うとか。中には「親同士のピリピリに堪えられず、うちは小学校5年になったタイミングで辞めさせました…」とコメントする親もいました。
バレエの配役を巡っていがみ合う親たち
親同士のトラブルは、時に監督が火種となるケースも。バスケットボールチームを束ねる監督には娘が1人いて、監督と同じチームに所属しています。力のある子だと周りも認めているものの、どうしても「監督の娘だから、いつもスタメンに選ばれるのよね」「そりゃ家に帰っても特訓してるだろうから、上手に決まってる」「他の子どもにもタダで特訓すべき」といった声が相次ぐことに。
さらにこうしたシーンは球技系のスポーツだけでなく、「バレエを習わせているけど、子どもの配役によっては親同士がバチバチです」「ピアノでも発表会前は空気が張り詰める。誰がどの曲を弾くかの争いは激しい」「子役を目指す親子は意識高いからね。お互いの子をけなす言葉が結構飛び交いますよ…」といわゆる文科系でも多いようです。
一方“アツくなる親”に対しては、冷ややかな目線を向ける人も多数。「本来習い事って、子ども同士が切磋琢磨する場所。親同士が揉めるのは違うでしょ」「子どもたちだって親がバチバチやってる姿は見たくないはず」「純粋にスポーツをしたいだけの子どもを邪魔しちゃダメだよね」などの声が寄せられています。
習い事を選ぶときに押さえたい5つのポイント
子どもの習い事については、「お金」や「送り迎え」など現実的な問題も悩みどころ。2月9日に放送された『助けて! きわめびと』(NHK)では、“習い事の選び方”に関する特集が組まれていました。
育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささんによると、習い事を選ぶときに指標となるのは以下の5つのポイント。
・本気度(プロを目指す? 趣味程度?)
・お金(上限額の目安は?)
・時間の拘束(送り迎え・振り替えの有無)
・指導者の経歴(プロ? 地域のお父さん?)
・本人の性格(強気・おとなしい)
ネット上でも「子どもが野球を習いたがってるけど、地域の監督がちょっとクセのある人で迷い中…」「クラシックバレエは経済的に厳しくて諦めました」など、親たちからの悩みはつきません。
また、おおたさんは「習い事によって得られるスキルそのものよりも、何かに夢中になって、達成感を味わって、時には挫折も味わいながら、それを乗り越えていく体験を積んでいくことが大事」と習い事の意義を語ります。
お金や送り迎えで支援するのはもちろん親ですが、あくまで“子どものため”の習い事である点を忘れないようにしたいですね。
文/長谷部ひとみ