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世間では「子どもは正直で嘘をつかない」と思われがち。 でも実際はそうとばかりも言えないことは、子育て中のママ・パパなら実感していると思います。 ただ、ひとことで嘘といっても、空想に近いものやすぐにばれてしまうその場しのぎの嘘などいかにも子どもらしいものから、大人顔負けの用意周到な嘘、自分を守るための切実な嘘までさまざま。 今回は、子どもがどうして嘘をつくのか、年齢別に心理や原因を解説。親としてどのように接したら子どもが嘘をつかずに済むのかを考えてみました。

 

子供の嘘、ママが悩む年齢は「8歳・10歳・11歳」?


インターネットや周囲のママたちに聞いてみたところ、「うちの子、この頃嘘をつくことがあって…」「わが子には嘘つきになってほしくないのに…」と悩むのは、特定の年齢に多いようです。 嘘の内容や原因も年齢ごとに少しずつ異なります。それぞれ見ていきましょう。

 

単純な嘘は6歳(小学校入学前後)の子に多い?

ママ「宿題終わった?」 子ども「終わったー!」

 

ノートやドリルを開いた形跡もないのに…と見てみると、やっぱり手を付けていません。 こういうすぐにばれる単純な嘘が多いのが、小学校入学前後の6歳台の子です。 この年頃は、まだまだ「先の見通し」については発達途中。いま遊びたい、マンガが読みたい…と思うと、後で困ることは分かっていても、目先のことに意識を奪われてその場しのぎの嘘をついてしまいます。

 

8歳(3年生)頃から増える嘘のパターンは

もう少し年齢が上がり3~4年生になると、ふざけてモノを壊してしまったり、立ち入り禁止の場所に入ってしまったりと、親や先生に知られたら叱られるようなことを隠すために「僕じゃない」「知らない」と嘘をつくことがあります。

 

また、友達に勝ちたい、自慢したいという動機で「もうゲーム最終面クリアした」「芸能人の〇〇と会ったことがある」などの嘘をつくことも。 もちろんいけないことですが、少し気持ちは分かりますよね。

10歳・11歳(小学校高学年)頃の要注意な嘘とは

5年生・6年生の子どもの嘘で増えてくるのが、友だちとのトラブル(金銭、いじめなど深刻なものも含む)に関するもの。 本人に非がない場合でも「親に心配をかけたくない」「自分が弱いと感じ、プライドが傷つく」などの理由から、何か起きても親に話さない子も増えてきます。

 

また、スポーツでもレギュラー争いが本格化したり、中学受験の準備も大詰めになってくると、「失敗したくない」「弱みを見せたくない、見せにくい」「期待している親をがっかりさせたくない」などの思いも。 こういった理由で嘘をついてしまうのは、少しずつ心が大人に近づいている証拠でもあります。

 

だんだんと大人と同じように計算ができるようになってくる年頃でもあるので、なかには他人に面倒や罪を押し付けるために嘘をついたり、果たすべき責任を逃れるために嘘をつく場面も見られ、そういう嘘は少し注意が必要。放置せず、早めに話をするのがいいと言われています。

 

子供が嘘をつく心理や原因はなに?


まず、嘘にも、本人が悪いことと分かっている場合と、そうでない場合があることを押さえておきましょう。

 

3~4歳から小学校入学前後の子に時々いるのが、近所の人や友達のママなど、まわりの大人に「おばあちゃん死んじゃったの」などと言って、「えっ?ほんと?大変ね」と驚くのが面白くて嘘をつくというケース。 このくらいの子は空想と現実の境目がなくなり実話のように話すことがありますが、これは多くの子どもに見られるもの。子ども自身に嘘をついている意識はなく、成長とともにほとんどが消失します。 また、宿題ができていないのに「やった」と即答するような場合も、本人はあまり悪いことだと感じていないでしょう。

 

いっぽう、子ども自身、「自分は嘘をついている」「悪いこと」という意識があるのに嘘をついてしまう場合、背景には次のような原因があると言われています。

 

  • 正直に言うと激しく叱責される、体罰を受ける
  • 親の期待に添いたい、がっかりさせたくない
  • 親が追い詰めている
  • 嘘をついてでも、自分に関心を持ってほしい

 

正直に話すと体罰を受けるような場合は言うまでもないですが、大声で叱られるだけでも、それが怖いのは子どもにとって当たり前のこと。 また、「こういう子でいてほしい」と子どもに話して聞かせるのは良いのですが、それが過剰になると、真面目な子ほど、そこから外れることを申し訳なく思って、やむを得ず事実を隠してしまう…といったことも起こります。

 

さらに、親はそんなつもりはなくとも、下の子が生まれたり親の仕事が忙しすぎて一緒に過ごせなかったりで子ども自身の寂しさが強いとき、自分に注目してほしくて嘘をつくこともあります。

 

こういった場合、嘘そのものを責める前に「この子が嘘をつかずにすむ状況は作れないか」と考えてみる必要がありますね。

 

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「嘘つきな子供」にさせないために、親はどうしたらいい?


親としては、やはり子どもには嘘をつかず誠実でいてほしいですよね。 そのためにできることは意外といろいろあります。

 

嘘をついたら結果がどうなるか教える

先の例であげたような、小さい子が作り話で周囲が驚くのを楽しんでいるという場合。 叱るというより、周りの人がどんな気持ちになるかをまず説明し、自分が信用されなくなることも教えましょう。ある保育士さんによると、古典的ですが「おおかみ少年」の絵本を読み聞かせるのも意外と効果的だそうですよ。

 

子どもは嘘をつくものと思っておく

ある研究では、子どもに嘘を話してもらった姿を録画して「子育て中の親」「育児と無関係な大学生」両方に視聴してもらい、本当か嘘か判断してもらったところ、子育て中のグループは大学生と比べ、大幅に子どもの作り話を見抜けない人が多かったといいます。

 

このことから、親は小さい子の言うことを信じる傾向にあると考えられています。 もちろんそれ自体はとてもいいことなのですが、「この子が嘘をつくはずがない」と信じ込んでいると、万が一子どもの嘘が分かった時、必要以上に激しく叱ったり、ショックのあまりその背景に目を向けられなくなったりする可能性が。

 

子どもへの信頼のはずが「あなたは嘘つくはずないよね?!」というプレッシャーにならないよう、「どの子も時には嘘をつくもの」くらいに思っておく方が良いでしょう。

 

「宿題やったの?」よりは「宿題いつ頃する?」「進んでる?」がおすすめ

「宿題やったの?」「ちゃんと歯磨きした?」という聞き方は、「やっていないだろう」という疑いが前提になっている感じがしますよね。

 

本当に「やったかやっていないか」だけを知りたいのなら、「やったの?」と聞いても子どもは素直に答えるかもしれませんが、ほとんどの場合はそうではないと思います。 筆者も心当たりが大いにありますが、内心「どうせやってないんでしょう」と、質問の時点で半分怒っているくらいではないでしょうか(笑)。

 

あらかじめ親の方に「本来ならやっているべき」という理想の答えがあると、子どもは敏感に気づいて、答えに合わないことは叱られると分かるので、正直に言いづらくなってしまいます。 「やったの?」と聞くところを、替わりに「宿題はご飯の前にやる?」「宿題は順調?」などの言い方にしてみてはどうでしょうか。 あくまで主体は子どもで、親はどんな答えが返ってきても、それに判断を下すのではなく、「そう、じゃあご飯は7時だからね」などフラットに反応するつもりでたずねるのがおすすめです。

 

子どもが正直に話したときはフォローしよう

黙っていれば叱られずに済みそうなことを正直に話したときは、ほめてあげましょうとよく言われます。 でも、嘘をついたことに加え、たいていは叱られそうなことをやってしまったから嘘をつくわけですから「それをほめるなんて無理!」とも思いますよね。 ほめるのが難しい時は、せめて「叱られるの怖いのに、ちゃんと言ったんだね」というフォローのひとことを言ってあげるようにしましょう。

 

最低限、ずるい嘘をつくところを子どもに見せない

最後に、これは当たり前のことですが、ママやパパが嘘をついて支払いや当番などを免れ、しめしめ…といった行為をしないことも大切です。 いくら口で「嘘をつくのは悪いこと」と教えていても、子どもの目の前で嘘をついたり、ズルをしているところを見せてしまったら何の説得力もないどころか、嘘のつき方をレッスンしているのと同じことになります。

 

もちろん、きょうだい同士でもよく嘘をつく子とほとんど嘘をつかない子がいるように、生まれつきの性格もあります。「嘘つきな子」の親がみんな日常的に嘘をついているわけではないですが、最低限、悪い見本だけは見せないようにしたいですね。

 

まとめ


「嘘つきは泥棒のはじまり」という言葉があるように、子どもが嘘をついた!となると、ママやパパは敏感に反応してしまうかもしれません。 ただ、嘘の背景にある子どもの心理を考えると、必ずしも厳しく叱るばかりではなく、別の提案をしてみたり、正直に話しても大丈夫だと安心させてあげたりすることで解決する可能性も十分にあります。 ママ・パパは、大人として良い見本を見せつつ「嘘をつかなくてもいい環境」を作っていけるようにしたいですね。

 

文/高谷みえこ