ある日とつぜん、わが子が「テストでカンニングしていた」「宿題の答えをうつしていた」と知ったらどうしますか? 今回の記事では、小学校の子どもが、学校のテストや宿題、さらには塾でカンニングしてしまう理由や心理、親としてどうしたらいいかを考えてみます。
学校のテストでカンニングした!その時の子どもの心理は
小学校の定期テストや小テストでカンニングしてしまう時、子どもはどんな風に感じているのでしょうか?
あまり罪悪感のない子もいる
大学入試の不正発覚がニュースで大きく報道されることからも分かるように、大人の感覚では、テスト中のカンニングは非常に悪いことで「人の答えを盗む=窃盗・泥棒」並みのレベルではないでしょうか。
しかし、カンニングをしてしまう小学生の中には、そこまでの罪悪感を持っていない子も多くいます。
これは筆者が中学生の頃のことですが、クラスメートの男女数人で話をしていた時にカンニングの話題になり、「小学校時代、小テストなどで時々カンニングをしていた」という男の子はその理由をこんな風に話していました。
- テスト前に勉強せず気楽に過ごしたい、でも0点は恥ずかしい
- 単純に、マルが多いことや点数が高いことがうれしい
- あとここだけ分かれば100点…というときに、つい
- 50点未満だと再テストなので、それがイヤ
軽い気持ちで近くの子の答えを見てしまう時、その子はゲームでちょっとズルをするような気持ちで、「とても悪いことをしている」というつもりはないのかもしれません。
小学生は体も小さく、答案を周りから隠そうという発想もない子が多いため、見るつもりがなくても前の子の答えが見えてしまうこともあります。 その時に、上記のように悪いと思わず自分の解答用紙に書きうつしてしまう子もいれば、後ろめたくイヤな気持ちになってしまう子もいるので、小学生とひとことで言っても個人差があることをまずは知っておきたいですね。
迷ったら周りを見てしまう子も多い
図工の授業で、絵や工作の題材や構図がなかなか決まらない時に、周りの子は何を描くんだろうと気になってキョロキョロしてしまう気持ち、大人でも分かりますよね。 参観日に教室の後ろに並んだ絵や工作を見ると、AさんとBさんの作品が色から何からそっくり。よく見ると席が隣同士で、お互い見ながら描いたのかな…という経験をしたママもいるかもしれません。 低学年では、それと同じノリで、テスト中に答えが分からなくなると思わず周囲を見回してしまったり、さらにつられて周りの子もキョロキョロし始めるということが時々起こります。
悪いと分かっていてもついカンニングする理由は
上記のような場合は、人の答えを見ることがいけないということをまずしっかり教える必要がありますが、学年が上がってくると「悪いこと」という意識があるにも関わらず、人の答えを見てしまう子も。 「勉強が面倒」「ズルして自分だけいい点を取ってやろう」という悪意はないのにカンニングしてしまう場合、少しママやパパの接し方を見直した方がいいこともあります。
つねに「いい点をとって当たり前」「ミスや間違いは悪いこと」というマイナス評価で見られていると、真面目な子ほど間違いを恐れるようになる可能性が。 「テストがんばってね」と声をかけるのは良いのですが、プレッシャーにならないよう「がんばって100点取ろうね」は避けましょう。
また、普段他のことであまりほめることがないというママ・パパも要注意です。 テストの点数は数字で結果が分かりやすいため、ほめやすいかもしれませんが、ほめられるのがそこだけという場合、子どもは点数を維持したいあまり「悪い」と分かっていても正解を求めてカンニングしてしまう可能性があります。
学校のテスト、カンニングした子にはこう伝えたい
いずれのパターンにしても、「悪い」と叱ることはもちろん必要ですが、それと同時に、カンニングしても何も自分の身につかないため「無意味」であるということも伝えたいもの。 ママやパパ自身の体験や、子どもの頃クラスでこんな事件があったんだよ…など具体的な例を交えて話すと効果的です。
また、結果だけではなくそこに至る努力や工夫こそ大切だというのも、ぜひ分かってもらいたいこと。 そのためにはまず、ママやパパ自身が子どものがんばりや成長に目を向け、「えらい、よくやった」という「評価」だけでなく「よかったね」と「応援」する気持ちを持っていたいですね。