長い間、議論され続けている“待機児童問題”。人数は年々減少傾向にありますが、代わりに新たな問題も登場しています。3月12日に放送された「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)では、「絶望職場を救え」をテーマに保育園が取り上げられていました。
「質の良い保育園」は競争率が高い…
番組に登場したのは、次女を預ける先を探している川崎市のママ。“子どもを安心して預けられる”と評判の保育園には希望が集中しているようで、第1志望の保育園は昨年およそ40倍の競争率を記録していました。通える範囲にある30以上の保育園を下見して第8希望まで申請したものの、結局全て落選してしまいます。
しかし実は、待機児童の数自体は減少傾向にあるよう。川崎市のデータによると2010年には1076人の待機児童がいましたが、2018年は18人に減少。保育に詳しい専門家は「分かりやすい『待機児童ゼロ』や、『保育園をいくつ増やしたか』ということばかりが追求されています。一方で見えづらい『質』は、ないがしろにされているのが現状」とコメント。ママも「少しでもいいところに入れたいけど、この現実…」と頭を抱えていました。
また「質の良い保育園」に入りづらくなった原因は、2000年に「保育園の設置に関する規制」を緩和したことにあるようです。原則として「市区町村」「社会福祉法人」のみが設置できた保育園が、株式会社も運営できるように。営利目的の企業が次々と参入し、現在では約2400カ所の保育園があります。