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日々の経営活動を記録し、その状況を明らかにするために必要となるスキルが「簿記」です。IT時代の到来と共に、「影が薄くなった」と感じている方も多いのかもしれませんね。 しかし簿記の知識・技能を身につけておくことには、さまざまなメリットがあります。日商簿記検定に挑戦するメリットをわかりやすくお伝えすると共に、資格取得のために知っておきたいポイントを紹介します。

 

■日商簿記検定とは?

「日本商工会議所主催簿記検定試験」という公的資格で、経理に関する基礎知識を習得していることを示すための専門資格の一つです。IT化が進む現代においても、簿記に関する知識をしっかりと身につけている人材を求める企業は決して少なくありません。 簿記に関する知識を習得するということは、会社の経理状況を判断するための、基本知識を身につけるということ。「言われたことをこなす」だけではなく、「会社の利益」や「お金のやり取りの仕組み」にまで目を向けて、さまざまな業務に応用できると考えられるためです。 日商簿記は、履歴書にも記載できる資格の一つで、毎年多くの人が挑戦しています。会計の基本を学び、より多角的にビジネスを捉えるための、知識を蓄えることができるのです。

 

■日商簿記検定取得のメリットを知ろう!

では実際に、日商簿記検定を取得することで、どのようなメリットを実感できるようになるのでしょうか。5つのポイントを紹介します。 ★就職・転職に有利に働く 先ほどもお伝えしたとおり、簿記の知識は、会社経営の基本を学ぶために必要なもの。履歴書に簿記検定を取得している旨を記載すれば、それが有利に働くケースも少なくありません。 経理や事務職として仕事をしたい場合はもちろんですが、営業や管理の仕事をしたい方にとっても、簿記は重要な資格です。業種や会社の規模に関わらず、アピールポイントに使えることでしょう。 また「これから就職・転職を考えている」という方にとっては、「一から勉強して簿記資格を取得した」という行為そのものが、「就職・転職に向けて前向きに努力している!」と、プラス評価につながる可能性もあります。 ★仕事で役立つ すでに会社で事務の仕事をしているものの……顧問税理士さんが使う言葉の意味がわからない!なんて経験をしたことはありませんか?これまで「なんとなく」でこなしていた仕事も、簿記を学ぶことで、その意味や目的をしっかりと把握できるようになります。 また「経理の仕事は、パソコンのソフトに数字を入れ込むだけ」であったとしても、その作業の意味を理解しているかどうかで、作業の質は大きく変わってくるものです。資格を取得することで、自信を持って仕事ができるようになるでしょう。 ★さらなる資格取得につながる可能性もある 簿記の資格は、そのほかの資格と密接に関わっているケースも多いもの。まず簿記を学ぶことで、次の資格取得のための土台を作ることができます。 例えば、近年人気の高い公認会計士、税理士、中小企業診断士などの資格試験は、簿記資格との相性も良いもの。まず簿記を学び、その後にそれぞれの学習をスタートすることで、頭に入りやすくなるでしょう。 ★社内での評価アップにつながる可能性がある 今現在転職を考えていなくても、「もう少しお給料が上がったら……」と感じている方は多いのではないでしょうか。こんなときにも、簿記資格取得を目指して動いてみるのがオススメです。 積極的に資格を取得しようとする前向きな姿勢が、会社からの評価を高めるきっかけになることもあります。簿記資格は、3級・2級・1級と、徐々にステップアップしていくもの。合格率が低い簿記1級を取得することができれば、会社にとって貴重な人材になれます。 ★独立・開業のための予備知識につながる 「会社で働く」以外の選択肢を選ぶ方も増えている今、自分自身で簿記の知識を身につけるということは、非常に大きな意味のあることだと言えるでしょう。事業におけるお金の流れや経営状況を、その都度把握することができます。自分でできる範囲が増えるということは、独立開業に一歩近づくということでもあります。 独立や開業を目指す場合の準備の一つとして、挑戦してみるのもオススメです。