education201903

近頃、ニュースなどで時々見かける「SDGs」という単語。あなたは、意味や内容を知っていますか?仕事と家事育児で精一杯、バタバタの毎日で「聞いたこともない…という人もいるかもしれません。 しかし、実は、子どもたちの未来に関わる重要な役割を持つのが「SDGs」。子育て中のママにこそ知っておいてほしいものなんです。 子どもたち自身も、これから成長した時、学習や仕事で「SDGs」を念頭に置いてすすめていく機会が増えるかもしれません。 そこで今回は、小学生くらいのお子さんに「お母さん、SDGsってなに?」と聞かれた時にちゃんと答えられることを目標に、わかりやすく解説していきたいと思います。

 

日本で知っている人は5人に1人。「SDGs」とは何のこと?


朝日新聞が2017年から定期的に実施しているアンケートによると、「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」という質問に対して「ある」と答えた人は、3000人中、2017年当初の12%から2019年2月時点で19%まで増えたそう。 それでもまだ、5人に1人しか「SDGs」を聞いたことがなく、内容までよく理解している人となるとさらに少数だと思われます。 そこで、この「SDGs」とは何なのか、外務省の資料などを参考に内容をみていきましょう。

 

読み方は「SDGs(エスディージーズ)」、意味は「持続可能な開発目標」


まず「SDGs」の読み方ですが、「エスディージーズ」と読みます。 英語では「Sustainable Development Goals(サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ)」と書き、その頭文字をつなげたのが「SDGs」。 日本語では、正式には「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」ですが、長いので通常は「持続可能な開発目標」と表記されます。 …と言われても、まだよく分からない!ですよね。

 

これは、2015年の国連サミットで採択された「目標」のことで、実現は2030年を目指しています。 目標と言っても1つだけではなく、大きく分けると17種類。さらに細かく169に分かれています。英語でも「Goals」となっていて、ゴールが1つではないことが分かりますね。

 

なぜかというと、この「SDGs」は、国や企業ではなく、1人1人の「人間」のために作られた目標だから。 困っている人や苦しんでいる人を「地球上の誰一人として取り残さない」というのがスローガンだそうです。

 

貧困、災害、内戦、環境汚染など、助けが必要な人たちの状況はさまざま。だから、きめ細かい目標と具体的な対策を各国が考え、実行していくことになったのですね。

 

「SDGs」の前に「MDGs」があったのも知ってた?

実は、2015年にこの「SDGs」ができる前には、「MDGs(エムディージーズ)」と呼ばれる「ミレニアム開発目標」というものがありました。

 

「MDGs」は2001年に始まったもの。 こちらも、貧困と飢餓をなくすことや乳幼児死亡率の削減・HIV(エイズ)やマラリアなどの感染症撲滅など8分野での目標を掲げて進められ、実際に極度の貧困で苦しむ人の割合が47%から14%に減るなどの大きな成果をあげてきました。 しかし、いまだに5歳未満児の死亡率やジェンダー解消など改善が見られない分野も残されており、それを引き継ぐために「SDGs」が定められた形です。

 

また、「MDGs」ではおもに開発途上国が努力する内容だったのに比べ、「SDGs」は先進国・途上国に関わらず、世界各国がそれぞれ「やるべきこと」を持ち、一丸で進めるのが特徴となっています。

 

「SDGsってなに?」と子どもに聞かれたら、こう答えよう


小学校高学年あたりになると、社会の授業などで、「SDGs」について学ぶ機会があるかもしれません。 また、これから2020年のオリンピック開催に向けて世界水準の環境対策や人権意識が求められますので、テレビ番組や街のポスターなどで「SDGs」への取り組みについて見かけることが増えてくると予想されます。

 

子どもから「SDGsってなに?」と聞かれたら、あくまでも一例ですが、 「世界の国が話し合って、2030年までに地球上で困っている人たち全員を助けよう!っていう目標を立てたんだよ」 などと答えてあげるのはどうでしょうか。

 

日本での「SDGs」の取り組みにはどんなものがある?


ここまでで、「SDGs」の目指すものはだいたい分かってもらえたかと思います。 では、日本では具体的にどのような目標と取り組みを掲げているのでしょうか?

 

外務省の発表した「持続可能な開発目標(SDGs)について」の中で、17の目標は次のようになっています。

 

  1. 貧困をなくそう(貧困)
  2. 飢餓をゼロに(飢餓)
  3. 健康と福祉を(保健)
  4. 質の高い教育をみんなに(教育)
  5. ジェンダー平等を実現しよう(ジェンダー)
  6. 安全な水とトイレを世界中に(水・衛生)
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに(エネルギー)
  8. 働きがいも経済成長も(成長・雇用)
  9. 産業と技術革新の基礎を作ろう(イノベーション)
  10. 人や国の不平等をなくそう(不平等)
  11. 住み続けられるまちづくりを(都市)
  12. つくる責任つかう責任(生産・消費)
  13. 気候変動に具体的な対策を(気候変動)
  14. 海の豊かさを守ろう(海洋資源)
  15. 陸の豊かさも守ろう(陸上資源)
  16. 平和と公正をすべての人に(平和)
  17. パートナーシップで目標を達成しよう(実施手段)

 

日本では、上記の17項目のうち、特に優先して取り組むべき8つの分野で、日本の強みや経験を生かしてリーダーシップを取っていこうと考えています。

 

例えば、発達した経済や科学技術を生かした途上国支援や課題解決に役立つ技術の開発。 また、地震や津波の災害の経験を生かした防災推進やインフラ整備、海に囲まれた国として海洋汚染の防止策など、気候・環境・防災面での国際協力。 そして質の高い教育の実施や、女性が活躍するための環境整備などを軸に、東南アジアやアフリカなどにモデルを展開していくとしています。

 

育児中のわたしたちにできることは?


ママやパパの中にはすでに仕事で技術開発や人事教育などで「SDGs」達成に向けた取り組みを行っている人もいるかもしれません。でも、子どもとの日常生活の中で、何か私たちにできることはあるのでしょうか? 小さい子にとって、自分の周りとはまったく異なる環境で生きている子が世界にいることは想像できないと思います。

 

たとえ海外旅行に行ったとしても、子連れでは比較的豊かで安全な地域に限定されることがほとんどですので、どんな子にも伝わる方法としては、絵本や映画などで同じ年頃の子の現状を見せてあげるのがおすすめです。

 

また、3歳頃からの子は、何かにつけて「なんで?なんで?」と聞きたがる時期がありますよね。

 

例えばフードコートで、紙コップとプラスチックごみを分けて子どもに捨ててもらい、「なんで分けて捨てるか分かる?」などと聞いてみるのも、環境汚染を減らす方法を教えるきっかけになるかもしれません。

 

また、もし、わが子が体の不自由な人やLGBT(性的マイノリティ)の人をからかうような発言をしたら、正しい認識を教えることも「SDGs」の達成に向けて協力していることになります。

 

まとめ


横文字や漢字のとっつきにくい単語が並び、自分には関係ないと思ってしまいがちな「SDGs(エスディージーズ)」ですが、実は女性や子どもをはじめ、私たちの今後に深くかかわる内容だといえます。 何をしていいかわからない、という時は、まずはママやパパが「SDGs」について知ることだけでも大きな一歩となりそうですね。

 

文/高谷みえこ

参考:外務省「持続可能な開発目標」(SDGs)について https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/about_sdgs_summary.pdf

朝日新聞デジタル『2030SDGsで変える「SDGs認知度調査 第4回報告】」 https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey04/

特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン「ミレニアム開発目標(MDGs)から持続可能な開発目標(SDGs)へ」 https://www.worldvision.jp/children/post2015.html