元気があり余っている小中学生にとって、学校での“給食”は待ち遠しい時間。親としても子どもに「モリモリ食べてほしい!」と願うものですが、実は意外と短いのが“給食の時間”。「もう少し延長するべきか?」との議論が持ち上がっています。
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“学校での給食時間”が短すぎる!?
昼休み45分のうち食べる時間は15分!
きっかけは、横浜市で起こった「給食を食べる時間が、実際は15分程度しかない」との指摘。市の教育委員会によると、横浜市の市立中学では“昼休み”が45分です。しかし昼食の準備時間や生徒会、部活動に割く時間を除くと、“食べる時間”は15分ほど。教育長も「食育の観点からも、ゆとりある昼食時間を確保することは大切」とコメントし、昼食時間の5分延長を検討しています。
短すぎる給食時間に批難の声
“給食時間の実態”を知り、ネット上では賛否の声が相次いでいます。やはり多かったのは「明らかに短すぎるでしょ…」「給食ってまさに“食育”じゃなかったの?」と嘆く人たち。自身の学生時代を振り返ってコメントする人もいました。
「15分で食べ切ろうと思ったら“よく噛んで食べる”は無理だね」
「男子ならいけるかもしれないけど、女子に15分で“かきこめ”は辛いな~」
「昔を思い返しても、確かに短かった。おかげで早食いが身についたけど(笑)」
「結局食べ切れなくてよく残してた…。味わう余裕すらなかったもん」
あまりにも短い給食時間に対し、疑問を感じる人は多いようです。
“給食時間”を巡るさまざまな主張
“ゆっくり食べるクセ”を懸念する声
時間の延長を支持する意見が多い一方、“もっと慎重に検討すべき”と考える人たちも。「ゆっくり食べるクセがついてしまう」「決まった時間を守る意識が大切」など、幅広い意見が寄せられていました。
「いくら短いと言ったって、時間をかけて優雅に食べるものでもないよね」
「フルコース料理じゃないんだから、ゆったり食べるクセがついても困る」
「掃除の時間に入っても、ずーっと食べてる子っていたよね。あれはよくない習慣」
「決まった時間を守るのは基本中の基本。給食だからって例外じゃない」
生徒が忙しすぎるのが原因?
賛否の声が飛び交うテーマですが、話は進展して「学生が忙しすぎる」との問題意識を持つ人も登場。最近では授業以外にも部活や塾、その他課外活動に忙殺される学生も多いとか。この点を問題の本質として見る人は少なくありません。
「昼休みが45分もあるのにおかしい。他の活動を減らす方法を考えるべき」
「いっそ昼休みの部活を禁止したら? 15分って海外ではありえない短さだよ」
「生徒会とか委員会の集まりなんてのもあったよね。そこまで生徒にやらせる必要あるんだろうか…」
“先生の忙しさ”も大きな課題ですが、忙しいのは生徒も同じかもしれないですね。
給食の普及率や給食費の実態
全国の学校の給食普及率
文部科学省は昨年、「学校給食実施状況等調査」を実施。国公私立学校の中で「学校給食」を実施している校数は30,092校、割合は95.2%にまで達しています。なお「学校給食」は、「完全給食」「捕食給食」「ミルク給食」の3つに分かれるもの。
・「完全給食」とは、給食内容がパンまたは米飯、ミルクおよびおかず
・「捕食給食」とは、完全給食以外の給食で、給食内容がミルクおよびおかずなど
・「ミルク給食」とは、給食内容がミルクのみ
「完全給食」に絞った割合でも、実施率は93.5%でした。
小学校・中学校の給食回数と給食費
次に「給食費」についてみていきましょう。昨年の「公立小学校・中学校」における給食回数は、小学校で191回、中学校で186回。給食費月額は、それぞれ4,343円(小学校)と4,941円(中学校)でした。
総務省統計局の分析によると、学校給食費は年々増えている状況です。“消費税率アップ”に伴う値上げが多いのも事実ですが、もう1点理由として大きいのが「原材料の高騰」。豆、鶏、卵、生乳、果実などが上がり幅の大きい品目だそう。
成長期の子どもにとって、給食を含めた“食事”はとても大切なもの。学校側には、しっかりと体作りができる給食を提供してほしいですね。
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文/長谷部ひとみ