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祖父母に子守をお願いすると、自分のやり方とまったく違うので驚いてしまうこともありますよね。祖父母の育児が病院や検診で指導されている育児方法と違うと、とまどってしまうこともあるでしょう。

 

育児方法や子育ての考え方については、時代とともに変化しています。これまで育児に良いとされていたことが、10年後にはまったく反対になってしまうこともあります。医学の発達により育児についてもいろいろ判明されていますので、やはり育児は最新の方法で行うのが理想的です。それでは、昔の育児はどのようなことが常識だったのでしょう。今ではNGになっている、昔の育児方法についてまとめてみました。

母乳より粉ミルクを推奨

昔は母乳よりも、粉ミルクのほうが栄養価が高いとされていました。そのため、多くのママが生後数か月すると、粉ミルクに切り替えていたそうです。

 

昭和50年前後は母乳育児が全体の30パーセントを下回っており、粉ミルクで育てられた赤ちゃんはかなり多かったようです。

 

哺乳瓶はお鍋にお湯を沸かし、煮沸消毒するのが一般的でした。哺乳瓶は熱湯をかけて消毒するのが常識となっていました。

 

現在では粉ミルクより母乳のほうが栄養価も高く、赤ちゃんの免疫を高めてくれる成分が母乳に含まれているとこも判明しています。

 

また、妊婦の9割は母乳で赤ちゃんを育てたいと考えており、母乳育児支援も行われています。

 

哺乳瓶は専用の消毒液に浸すだけで、キレイに消毒できます。最近ではレンジで温めるタイプの消毒グッズも登場しています。

離乳食は生後5カ月頃から

昔は離乳食を始めるタイミングも違っていました。産後半年もすれば母乳の栄養が下がるとされており、生後5カ月前後から離乳食を与えるのが理想的とされていました。

 

生後4カ月頃から離乳食を始める家庭も多く、赤ちゃんに食べ物を見せて口を開ければ、離乳食の開始時期ともいわれていました。

 

現在では、離乳食は5カ月か6カ月を過ぎた頃から開始するのが一般的になっています。スプーンなどを口に入れてみて、押し出すことが減ってきたら離乳食の開始のタイミングとされています。

 

生後5カ月前後の赤ちゃんは胃腸がまだ未発達なため、離乳食をうまく飲み込めず吐き出してしまうこともあります。

 

WHO(世界保健機関)では生後6カ月までは母乳で育てることを推奨しているので、あせって離乳食を開始しなくても問題ありません。

 

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親が噛み砕いたものが離乳食

昔はベビーフードなども販売されておらず、親がよく噛み砕いた食材を赤ちゃんに与えるのが離乳食とされていました。スプーンも母親と同じものを使っていましたが、それが当たり前でした。

 

現在の離乳食は、柔らかくした食材をすり鉢などで細かくすりつぶし、赤ちゃん専用のスプーンで与えます。

 

親が噛み砕いたものは虫歯菌が感染する原因となってしまうので、必ず赤ちゃん専用の離乳食を作って与えます。

 

虫歯を移さないよう、スプーンやお箸、コップなども赤ちゃん専用のものを使います。

生後3カ月になるとスプーンを使って果汁を飲ませる

以前は離乳食を始める前準備として、生後3カ月頃になると果汁を与えることを推奨されていました。

 

離乳食を与えるためのスプーンに慣れさせるため、早ければ生後2カ月頃から与えていたそうです。

 

現在では、生後6カ月未満の赤ちゃんに果汁を飲ませるのは良くないとされています。虫歯を発生させる原因となってしまったり、おなかを下す、またはアレルギーを引き起こすなどの原因になることがありますので、果汁を摂取しないほうがいいとされています。

赤ちゃんには厚着をさせろ

昔の赤ちゃんは写真を見ても、とにかく厚着をしています。昔は赤ちゃんに厚着をさせるのが当たり前になっていました。

 

昔の住環境や暖房器具は現在のように高性能でなかったため、家の中は常に隙間風が入り込み、室温も低いのが普通でした。

 

ベビーベッドがそれほど普及していない時代なので、赤ちゃんは畳の上で寝かされていることも多く、風邪をひいてこじらせてしまうことも少なくありませんでした。

 

しかし現在は住環境も空調も整っているため、赤ちゃんにそれほど厚着をさせる必要はないとされています。

 

フローリングの住宅が多いため、靴下をはかせると滑ってしまう原因となるため、室温によっては、はかせないほうが良いとされています。

抱きグセがつくから抱っこをしすぎない

昔は赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこをするのではなく、放置しておくほうが良いといわれていました。赤ちゃんが泣いてすぐに抱っこをすると抱きグセがついてしまい、甘えん坊に育ってしまう、太りやすくなる、心肺機能が育たないなど、いろいろな悪影響があるとされていました。

 

現在の育児では、赤ちゃんが泣いたときはすぐに抱っこしてあげ、安心させてあげたほうが良いといわれています。

 

母親とのコミュニケーションがはかれるため、情緒も安定し、ストレスも軽減されます。

まとめ

昔は常識だった育児が、今では非常識になっていることも多いようです。祖父母世代は当時推奨されていた育児をすすめてくることもありますので、現在の推奨されている育児について教えてあげるとよいでしょう。