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最近よく耳にする「クラッシャー上司」という言葉。「隣のチームの上司が“クラッシャー上司”で大変そうだったな」「こういう人って一定数いるよね」など、実際に遭遇する人も少なくないよう。体験談や対処法を見てみましょう。

 

人を潰して自分が育つ? クラッシャー上司の特徴


そもそも「クラッシャー上司」って?

雑誌などでもよく見かけるようになった「クラッシャー上司」という言葉ですが、実は何年か前から提唱されていた概念です。この言葉を作ったのは、元・東京慈恵会医科大学教授の牛島定信さんと筑波大学の松崎一葉教授。2017年の『視点・論点』(NHK系)では、松崎教授がクラッシャー上司について講義を行いました。

 

クラッシャー上司の特徴とは

「パワーハラスメント」という言葉が浸透した昨今、ひどいパワハラが行われれば社内で処分・是正が行われるはず。しかしクラッシャー上司には以下のような特徴があり、被害は拡大する一方のよう。

 

・能力が高く、仕事上とても高い成果を出す


・仕事ができるため会社は厳しい処分に踏み切れない


・パワハラが黙認され、部下たちが精神的につぶれていく


・部下を潰しながら本人は堂々と出世する

 

こんな上司はお断り! クラッシャー上司体験談


ネット上では体験談が続々

「うちの会社にもこういう人いる!」「私が出会った上司って、今思えばクラッシャーだったのかも…」など、ネット上では多くの遭遇体験が語られています。 「めちゃくちゃ仕事できる女上司だったんだけど、メールでの指示にいつも精神攻撃を入れてきて辛かった」


「周りに相談しても、その上司がすごく信頼されているから信じてもらえないんだよね…」


「面と向かって『バカだね』って言われて凄くむかついた」


「仕事できる人に限って言い方を考えない人って多いんだよね。どんだけ自信満々なんだよって言いたくなる」


「質問しても『こんな常識がなんで分からないの』って言われちゃう…」


「前職の上司が6人も部下をやめさせたのに、会社は全然処分しなかった」

 

どんな対策が有効なの?

「クラッシャー上司」に苦労している人が多い分、「ICレコーダーで録音しておく」など対策法をアドバイスしてくれる人も少なくありません。 「仕事できる人って周りにはいい顔してるから、証拠がないと厳しい。録音は必須かな」


「正攻法で攻めても返り討ちにされる。周囲の同僚とも協力して、多くの人の声を集めてさらに上の立場の人に訴えた方がいいよ」


「正直、仕事辞めるしかないかも。でも辞めれば精神的にも落ち着くし、勇気を出して!」


「録音データも必要だし、病院に行ったなら診断書もゲットしておこう」

 

中には「もう心を無にして、言われていること全部やり過ごしてます」「この人はかわいそうな人なんだと思って、表面上だけ合わせてる」といった上級者も。

 

今すぐできる脱出方法とは?


鍵を握るのは「元部下」?

2017年に放送された『オイコノミア』(NHK系)では、「上下関係」のお悩みを特集。「クラッシャー上司」への対策法も紹介されました。すぐに実行に移せる脱出方法は次の2点です。

 

・クラッシャー上司の部下だった人に会いに行く


・会社と関係ない友人と話す

 

「部下だった人に会いに行く」と、“自分だけがこんな目にあっているわけではない”と実感できます。気持ちをシェアして楽になるというメリットのほかにも、その人は「クラッシャー上司に対するマニュアル」を持っているかもしれません。「こういう風にされたらこう動け」など具体的なアドバイスをもらえる可能性も。

 

また「会社と関係ない友人と話す」ことで、“この扱いは普通なんだ”という思い込みから抜け出すことができます。自分の状況を客観的に見るためにも、一度社外の知り合いと話してみましょう。

 

職場での人間関係はとても大切。「クラッシャー上司」にうまく対処して、気持ちのいい環境で働きたいですね。

 

文/長谷部ひとみ