「兄弟には平等に、いい教育を受けさせたい」と考える親は多いことでしょう。実際に「兄も弟も同じ私立小学校」なんてパターンは少なくありません。でも今回話を聞いたのは「あえて私立と公立の違う学校を選んだ」というママたち。その理由と子どもたちの様子を聞きました。
上の子と下の子で違う小学校に通う理由とパターン
その子に合った環境を選んであげたい(かなこさん/43歳/事務)
上の子は「誰に似たの?」と首を傾げるほどの勉強好き。「この才能を伸ばしてあげたいね」と夫婦で相談し、私立小学校を受験させました。 勉強量は多いですが楽しいようで「今度、外国人のお客さんが来るんだよ」と英語の練習をしたり、「みんなで漢字検定受けるんだ!」張り切っていたり。イキイキとした姿を見ては、思い切って受験させてよかったと感じています。
いっぽう下の子は外遊びが大好き。保育士さんも「友だちと体を動かすことが好きなようです」と言っていました。近所の公園で楽しそうに遊ぶ小学生を見て、「こんな風に近くに友だちがいる環境が合ってるな」と判断。あえて受験はさせず、地元の公立小学校を選びました。
「上の子だけ私立って、子どもからしたらどうなのかな…」という不安も確かにありました。でも、それぞれに合った環境で楽しそうに通学する二人を見ていると「これで正解だったな」と思っています。
幼いとはいえ本人の意思を尊重(なみさん/44歳/パート)
長女は公立、次女は私立の小学校に通っています。もともと夫婦ともに学歴へのこだわりはなく、「本人が行きたいところに行かせたい」と考えていました。長女が年長のときに「小学校は楽しみ?」と聞くと、「うん! 保育園のみんなとお勉強する!」と笑顔で答えていましたし、周りにお受験組がほとんどいなかったこともあり、地元のお友だちと一緒に地元の公立小学校へ入学しました。
次女のときも同じような質問をしたところ、「◯◯ちゃん受験するんだって。私もしたい!」と言い出したんです。「保育園のお友だちとはお別れになっちゃうよ」と言っても、「新しいお友だちができるから大丈夫!」と言って受験をし、無事合格しました。
「友だちが受験するから私も」という動機に一抹の不安はあったものの、のびのびした校風が次女には合っているみたいで、ホッとしています。 この先、もし長女が「私立中学に行きたい」と自分から言い出したならば、迷いなく応援してあげるつもりです。
「下の子は落ちたんだ」と誤解される(はなさん/42歳/事務)
わが家のお兄ちゃんは運動神経がバツグン。いつも元気に公園を走り回り、運動会では毎年リレー選手。「大きくなったら野球選手になりたい!」と本気で語り、年長さんになると日に何度も「小学校で野球できるかなー?」と聞くほど、スポーツが大好きなんです。
そこで、近くにある「スポーツ重視」の方針を掲げる私立小学校を選びました。小学生にとって十分すぎるほどのスポーツ環境のなか、いまや息子の運動能力はグングン伸びているように感じます。
それに対して妹は、おままごとやお絵かきが好きなタイプ。これまではなんとなく「兄弟は同じ学校へ」と思っていたけど、よくよく考えて公立がいいと判断しました。
あえてのデメリットといえば、周りが「妹は落ちたんだ」と思っているような気が…そんなときはきちんと「下の子には合わないと思って受けなかった」と答えていますが。
その子にあった選択肢で小学校選びをしよう
子どもにとっての〝いい教育〟のひとつの方向は、ひとりひとりに合った環境で好きなことや才能を伸ばしてあげること。子どものことを一番理解している親が、私立・公立の別にとらわれることなく「その子に合った道」を探す手伝いをするのが大切ではないでしょうか。
ライター:楠 ゆず
娘と夫、茶トラの猫の3人+1匹で暮らすフリーライター。思い切ってマンションを購入し、ローンパラダイスへ突入中。幼児教育にハマってしまい、興味をもった教材は手に入れないと気が済まない。おかげで家には教材の山が…。断捨離欲と収集欲の葛藤に悩む日々です。