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現代の子どもたちにとって、インターネットは身近な存在です。自分のスマホやゲーム機を使って、ごく当たり前に楽しんでいる子どもも多いことでしょう。親にとって気になるのは、子どものネット依存やゲーム依存についてです。 近年では、「親が気付いたときには、非常に深刻な状態に陥っていた!」なんてケースも増えてきています。子どもをネット依存・ゲーム依存から守るためにはどうすれば良いのか、親として知っておきたい知識をまとめます。

 

■子どものネット依存・ゲーム依存とは?

厚生労働省が公開している情報によると、依存症とは、「特定の何かに心奪われ、『やめたくても、やめられない状態』になること」を指します。世の中に依存症は数多く存在していますが、ネット依存の場合は「インターネット」が、ゲーム依存の場合は「ゲーム」がその対象となっています。 以下のような症状がみられたときには、ネット依存やゲーム依存に陥っている可能性が高いと考えられます。 ・スマホやゲームがないと、落ち着かない(イライラする・不安でたまらなくなる)


・ネットやゲームに熱中して寝不足になるほか、日常生活に支障をきたす


・課金が恒常化していて、自分で支払うのが困難な金額になっている 対象のものが手に入らないと、心身ともに不安定になってしまうのは、依存症の証拠とも言えます。スマホやゲームに熱中するあまり、そのほかの生活面に支障をきたすとしたら、それも大きな問題です。 特にゲーム依存で多いのが、「課金」に関するトラブルで、子どもであっても例外ではありません。 厚生労働省が過去に行った調査によると、依存が疑われる中高生の数は90万人を超え、その数が急増していることがわかっています。またこれは、中高生だけが抱える問題ではありません。小学生や未就学児であっても、ゲーム機やスマートフォン・タブレットが身近にある家庭も多いことでしょう。 依存症の進行を食い止めるためには、「できるだけ早いタイミングで対処する」のがベストです。

 

■依存症は立派な病気

ネット依存やゲーム依存は、立派な病気です。依存症に陥ると、人間の思考回路は変化して「自分でやめる」ということが不可能になってしまいます。もし自身の子どもが「依存症かも……」と思ったら、家族が積極的に関わって、状況を改善させていく必要があります。 依存状態が長くなればなるほど、それを解消するのは難しくなってしまいます。子どもの場合、親の関わり方次第で状況を改善できる可能性も高いですから、ぜひ毎日の生活の中で意識してみてください。

 

■まずは家族で話し合おう

子どものネット依存やゲーム依存が気になるときには、まずは「家庭でできる対処法」を試してみてください。現在の状況や問題点について、話し合うことが大切です。 ・現在の、ネットやゲームとの付き合い方について


・生じている問題点


・どうすれば使用時間を減少できるのか


・ネットやゲーム以外の「楽しみ」の提案 子どもが大きくなればなるほど、ネットやゲームとの付き合い方について「自分なりの考え方」を持っているケースも多くなります。頭ごなしに「親が考えるルール」だけを押し付けても、反発されてしまう可能性も高いです。 まずは子どもと家族が抱えている問題について認知した上で、「では、どうすればそれを解決できるのか」について、一緒に意見を出し合ってみてください。「○○は無理、でも△△ならできそう」なんて、子どもからの意見も聞けるはずです。 また現代においては、ネットやゲームをしないまま大人になることは、ほぼ不可能と言って良いでしょう。しかしその中には、依存症に陥るほどハマる子どももいれば、適度な距離感を保ち続けられる子どももいます。 後者の子どもたちの特徴は「ネットやゲーム以外にも夢中になれることがある」「もっと楽しいこともあると知っている」という点です。家族のサポートで、ネットやゲーム以外の楽しい世界も、積極的に教えてあげましょう。