子育ては周りのサポートだけでなく、環境も大切です。昨年“田舎と都会における子育て”という話題に注目が集まっていました。田舎と都会の子育てには、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
“田舎と都会の子育て”の違いとは?
12月下旬、教育関係の仕事に就いている女性から“田舎と都会の子育ての違い”についての質問がネット上に寄せられていました。その女性は「田舎と都会だと子育て方法に違いがあると思います」と綴り、「それぞれの良さを教えてください」と投げかけています。
この質問に、ネット上からは様々な意見が。まず“都会”については、「チャンスが身近にある。進学するにも選択肢が多いし、周りに『できる子』がいるから刺激も多い」「電車やバスで通える所に大学があるから進学しやすいと思う。車が無くても電車で遊びに行けるし」「色々なアミューズメントパークで遊べる上に博物館や美術館にすぐ行ける。こういう環境の差はかなり大きい」といった意見が。“教育面での選択肢の多さ”や“交通の便の良さ”、“遊ぶ場所の多さ”などが都会のメリットだと感じる人が多いようですね。
一方“田舎”については、「極端にお金持ちがいなかった。みんなだいたい同じくらいの育ちなので格差は感じなかったかな」「田舎育ちで都会に出てましたが、都会は時間に追われてる感じがする」「良くも悪くも勉強とか学歴だけに固執してなかった。だから中卒から国立院卒まで色々な人がいたよ」などの声が。田舎は“格差が無いこと”や“学歴にとらわれないこと”、“のびのびとした環境”といった面に魅力があるのかもしれません。
田舎と都会の良い面がピックアップされましたが、中には「結局は親次第だと思うよ」「サービスとか環境をどう活かすかはやっぱり親次第なので、どこで育てても一長一短」といった声も多く上がっていました。
移住理由に教育面を重視する人はおよそ半数!
昨年3月に「一般社団法人 移住・交流推進機構」が、「若者の移住」についての調査結果を公表。地方への移住を考えている理由に、“子育て”が関係していることが明らかになっています。
同調査は東京圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)に住む、地方への移住に興味がある20代~30代の既婚男女500人へ調査を実施。複数回答で「移住に興味がある理由」を聞いたところ、「山・川・海などの自然にあふれた魅力的な環境」が半数以上の50.2%を獲得して1位に。続いて2位に「子育てに適した自然環境」(33.4%)、3位に「子どもの教育・知力・学力向上」(22.2%)がランクインしました。
また「移住先の子育て環境で重視する条件」については、「自然とのふれあい」が43.0%で1位。そのほか「現在と比べて犯罪が少ない・治安が良い」(19.8%)など、“安全面”を重視する意見が合計67.8%に。さらに多かったのが、「学力・知力の向上ができる教育環境」(26.8%)や「少人数でのんびりとした教育環境」(17.6%)という回答。実に44.4%の人が“教育面”を重視していることがわかっています。
満足度調査で明らかになった子育て事情。移住NO.1の県は?
以前ミキハウスが発表した「都道府県別 パパ・ママ目線による子育て満足度調査~関東編~」では、リアルな子育て事情が明るみになりました。
同調査では関東1都6県に住む1歳までの子どもがいるママ・パパ1865人が、「子育て支援」「医療体制」「遊び場」「コミュニティ」「教育」「治安、安心・安全」「自然環境」「金銭面」という8項目の満足度を5段階で評価。判定を数値化して換算し、平均値からランキングを決定しています。
その結果、総合ランキングは1位「群馬」(3.61)、2位「栃木」(3.57)、3位「東京」(3.46)、4位「神奈川」(3.41)、5位「埼玉」(3.38)、6位「千葉」(3.36)、7位「茨城」(3.25)という順位に。群馬県が1位に輝きましたが平均点はいずれも3点以上で、子育て環境に関してそこまで不満に思っている人はいないようです。
住むところによって環境は違うもの。“何処に住むか”を考えるより、“自分たちに合った環境”を見つけることの方が大切なのかもしれません。
文/内田裕子