永久歯が生え揃うと、すぐに歯列矯正をはじめる子どもが増えてきました。将来的な虫歯や歯周病のリスクを考えれば、早いうちに矯正するメリットは大きいですよね。あるお母さんも娘の歯列矯正を考えていますが、旦那さんからの賛同が得られずに困っているそう。
歯列矯正は子どものうちにしておくべき?
そろそろ娘に歯列矯正をしたいと考えるお母さん。しかし旦那さんは、「高いお金を払ってまで歯列矯正をする必要があるのか」と良い顔をしません。ちなみに旦那さんが反対する理由は、自分が歯列矯正をせずとも整った歯並びだから。
お母さんによれば支払額が80万円とかなり高額ですが、家計に影響は出ないそう。にもかかわらず聞く耳を持ってくれない旦那さんに対し、「夫は浪費家」「今までしてきた浪費に比べれば、今回は投資」「しかし夫にはそれが理解できない」と文句が爆発します。結局解決策を見つけられないお母さんは、旦那さんが耳を貸す方法はないかとアドバイスを求めることに。
するとネット上には「子どもの将来を考えるなら、歯列矯正に反対する理由が分からない。今の時代は当たり前の治療だと納得してもらうしかないのでは?」「矯正治療をしない場合のリスクとデメリットをもう一度丁寧に説明しよう!」「旦那さんは歯並びが良いのかもしれませんが、それも見た目だけの話で実際はどこかがずれている可能性も。やはり見た目以外のメリットをしっかり伝えるべき」「娘から旦那さんに直談判してみるといいかも」と、様々な声が飛び交います。
闇雲に歯列矯正を盲心するのも良くない?
これまでの日本では、歯並びを重要視する風潮はほとんどありませんでした。しかし海外では以前から、歯並びの良さが家柄や教養などの基準に。そのため最近は日本でも、歯列矯正が“当たり前”になってきているようです。
歯列矯正をおススメする人の中には「例えば子どもが海外留学した時、歯並びが悪いと恥をかく可能性がある」「歯並びの悪さがコンプレックスになるかもしれない。その時に治療するのも手間だよ」「子どもが将来グローバル化した社会で成功を掴むためにも、矯正は必要」「成功を得るための投資と考えれば、80万円も安いもの」など、壮大な未来を見据えた意見が少なくありません。
一方で少数ですが、歯列矯正にストップをかける声も。「まずは現在の歯並び次第。大きくなると骨格も変わるので、数年は様子見しても問題ない」「娘さんが置いてけぼり。親の自己満足になってないですか?」「家族全員で話し合ってじっくり考えるべき。『歯列矯正をすれば間違いない』と盲目になってるかも」「実は歯列矯正するほど歯並びは悪くありませんでしたとなったら、80万円が無駄になる。それはさすがにもったいないよね」と闇雲な決断をいさめています。
確かに80万円は大金なので、旦那さんの意見も尊重した上で話し合った方がいいかもしれませんね。
見た目だけの問題ではない? 歯列矯正の重要性!
歯並びの悪さは、見た目だけの問題ではありません。歯磨きがしづらいなどの理由から、虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。しかし「日本矯正歯科学会」のホームページによれば、他にも数多くのデメリットが存在するそう。
歯が不揃いだったり上下がしっかり噛み合わない状態は、“不正咬合”と呼ばれています。もしも不正咬合をそのままにしておくと、「食べ物がよく噛めない」「言葉が明瞭でなくなる」「アゴの関節に負担をかける」「歯を折ったり、ケガをしやすい」などの問題が。
また歯列矯正は歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯ならびと噛み合わせを調整する方法。治療にはどうしても長い時間が必要になるため、できれば子どものうちに済ませておきたいところです。
決して安い治療ではありませんが、長期的に考えれば話は変わってくるかも。子どもの歯列矯正を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
文/牧野聡子