画像提供:柴田慶信商店
SNSでよく見かける「曲げわっぱ」のお弁当箱。見た目もおいしそうに見えておしゃれ!と人気です。でも扱い方が難しそうだし、お弁当箱の中では高価なものだから気軽に買えないと思っている人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、もう迷わない!曲げわっぱの選び方とお手入れの仕方をご紹介します。会社の昼休みに、見た目にも癒される曲げわっぱ弁当生活、始めてみませんか?
「曲げわっぱ」とは
「曲げわっぱ」は、スギやヒノキなどの薄板を曲げて作られる円筒形の木製の箱のことです。形や大きさなど選ぶポイントはいろいろありますが、知っておきたいのは“塗装の種類”です。ここではそれぞれの特徴とオススメの商品をご紹介します。
塗装の種類は3つ!
①白木(無塗装)
「白木」とは、いわゆる塗装を何もしていない、素材そのままのタイプ。自然な色合いを好む人やナチュラル志向の人にはこちらがおすすめです。ただし、お手入れには注意が必要です。
白木(杉の木の場合)の特長
・きれいな木目と自然な色合いが美しい ・木の抗菌効果でご飯が傷みにくい ・木が水分を程よく吸収してくれるのでご飯が冷めてもおいしい ・木の香りが食欲をそそる(塗装のニオイがしない)
お手入れ方法
〈使用前〉 ・内側の表面をさっと水で濡らし、乾いた布で水気を拭き取ります。このひと手間で、汚れやニオイの浸透、ご飯やおかずがこびりつくのを防ぐことができます。
〈使用後〉 1.お湯または水を注ぎ、汚れを浮かせてからタワシで軽く洗い落とす 2.研磨剤が入ったクレンザーをタワシにつけて、白木の表面を磨くように洗う 3.十分にすすいだら、完全に乾かす
〈長く使い続けるために気をつけたいこと〉 *お湯や水への長時間の浸けおきはやめましょう ※短時間なら問題なし *重曹、漂白剤、中性洗剤の使用はNGです *完全に乾かすには通常1日以上かかります。乾ききらないうちに使用すると、黒ずみが生じることがあります *カビの発生を防ぐために、風通しのよい場所で保管しましょう *食洗機や電子レンジの使用はNGです *油物を入れるとシミになりやすいので、葉物を敷いたり、カップに入れてから詰めるなど工夫しましょう
おすすめ商品 柴田慶信商店・小判弁当箱
国の伝統的工芸品に指定されている大館曲げわっぱです。天然杉で作られています。ひとつひとつ手作業で丁寧に作られた美しい逸品。こまめに手入れしながら大切に使いたくなるお弁当箱です。おひつとしても使えるので、時間がないときはとりあえず白飯を詰めて、スープジャーに具沢山の味噌汁を入れて持っていけばシンプルながら立派な食事になります。
②漆塗装
白木に漆塗装をしたタイプ。白木よりも取り扱いが楽なので、ナチュラル志向だけど手間をかけたくない人や、漆が好きな人におすすめです。
漆塗装の特長
・耐久性に優れており、寿命が長い ・漆の抗菌効果でご飯が傷みにくい ・漆がシミや色移り、カビを抑制してくれる
お手入れ方法
〈使用前〉 購入したばかりの頃は漆のニオイが気になることがあります。そんなときは、次のような方法を試してみてください。 ・ぬるま湯などで洗い、風通しのよい室内でフタを開けて陰干しする ・米の中に数日入れておく
〈使用後〉 1.中性の食器用洗剤を使い、ぬるま湯で洗う 2.乾いた布巾で水気を拭き取る
〈長く使い続けるために気をつけたいこと〉 *お湯や水に浸けおきするのはやめましょう *直射日光は避けましょう *食洗機や電子レンジの使用はNGです *使えば使うほど特有の艶が出るので、たくさん使いましょう
おすすめ商品 駿河漆器・わっぱ小判漆塗り弁当箱
画像提供:タベルニー お弁当箱専門店
静岡の伝統工芸「駿河漆器」の曲げわっぱ。木地はヒノキ、塗装は漆を使用した100%自然素材のお弁当箱です。色は赤、黒、木目の3色。サイズや形も選べます。家族で色違いにして揃えるのもおすすめです。それぞれ好きなおかずを入れて休日にピクニックなんていかがでしょうか。
③ウレタン塗装
白木を樹脂でコーティングしたタイプ。見た目はナチュラルがいいけど、手入れが楽なものがいい!という人におすすめです。ただし、コーティングされているので、木の香りや殺菌作用は期待できません。
ウレタン塗装の特長
・見た目は白木のものとほとんど同じで、きれいな木目と自然な色合いが美しい ・取り扱いがとにかく楽! ・汚れにくく、油物を入れてもシミにならない
お手入れ方法
〈使用前〉 ニオイが気になるときは、次のような方法を試してみてください。 ・容器の中にお湯を入れて数分置く。これを何日か繰り返す
〈使用後〉 1.中性の食器用洗剤を使って洗う 2.乾いた布巾で水気を拭き取る
〈長く使い続けるために気をつけたいこと〉 *お湯や水に浸けおきするのはやめましょう *食洗機や電子レンジの使用はNGです
おすすめ商品 (株)大館工芸社・小判弁当(小)
http://shop.magewappa.co.jp/category/select/cid/1/pid/4 国の伝統的工芸品に指定されている大館曲げわっぱです。天然の秋田杉で作られています。見た目の美しさに加え、軽量なのに強度と弾力性に優れている機能性の高さも人気の理由です。手入れが楽なので、見た目にこだわる中高生のお弁当にもおすすめです。
おいしそうに見える詰め方とは?
憧れの曲げわっぱを手に入れたら、さっそくお弁当を作ってみましょう。せっかくならおいしそうに見えるよう詰めたいもの。ご飯とおかずを一段に詰める場合は仕切りを使うと楽ですが、仕切りを使わない場合は、次の順番で詰めるとおいしそうに詰められます。
1.最初にご飯を詰める 2.ご飯に立てかけるように大きいおかずを詰める 3.形が崩れやすいおかずを入れる 4.最後にすきまを小さいおかずで埋める
いかがでしたか?ご自身のライフスタイルに合う曲げわっぱで、お弁当生活を楽しんでください!
取材協力
1964年に創業して以来、半世紀以上にわたり「未来の子供達に渡す曲げわっぱ」をテーマに、天然杉を使用した伝統的工芸品「大館曲げわっぱ」の製造・販売を行う。
お弁当箱とランチ雑貨を専門に扱うネットショップ。高品質・安心・安全な商品づくりをモットーに企画・販売・製造を手がける。運営は株式会社ANCHOR(アンカー)。
株式会社大館工芸社
1959年創業の「大館曲げわっぱ」の老舗。お弁当箱をはじめ、酒器や茶道具の湯桶まで、秋田杉を使った商品を50種類以上製造・販売する。
文/田川志乃