近年では、20代や30代の若い女性であっても、イライラしたり気持ちが沈んだり、のぼせやほてりなどが気になるといった更年期症状が出るケースが増えています。そもそも更年期は、閉経の前後5年ずつくらいを言うのですが、なぜ若い女性にこういった症状が出るようになってしまったのでしょうか? 今回は、若年性更年期障害の原因と対処法についてご説明します。
■症状は同じでも原因は異なっている
更年期障害は、卵巣の老化による機能の低下が原因と言われています。しかし、若い女性であれば閉経はまだまだ先のことであり、卵巣の老化が原因とは考えられません。 一般的に、若年性更年期障害は心身の疲れや体調不良、またストレスによってホルモンバランスが乱れることが原因だと言われています。同じホルモンバランスが原因であっても、普通の更年期と若年性更年期障害では全く乱れる理由が異なっているのですね。
◼️PMSと若年性更年期障害
イライラしたり気分が情緒不安定になったりするのが、月経予定日の10日から1週間くらい前であれば、PMS(月経前症候群)の可能性もあります。 PMSは月経前に症状が出始め、月経が始まるころにはおさまるのが特徴です。月経前に何らかの不快な症状やサインが出るという女性は多いのですが、その症状が病的にひどい場合、PMSと呼ばれます。 PMSは多くの女性に発症しますが、放置していると精神障害を引き起こすリスクもあるので、症状が重い場合は一度婦人科で診てもらいましょう。
■若年性更年期障害は働く女性に多い?
若年性更年期障害は、働く女性が増え始めたタイミングで増加しています。これは、働くことで様々なストレスを抱えやすくなったことが原因かもしれません。 ストレスが増加すると自律神経の働きに悪い影響を及ぼし、ホルモンバランスが乱れてしまい、更年期障害と同様の症状が起きているという一説もありますね。 もちろん原因はストレスだけでなく、過度の飲酒や睡眠不足、過度なダイエットや食生活の乱れが関係している場合もあります。ひどい場合は、過激な運動が原因となって月経が止まってしまうこともあるので注意しましょう。
■若年性更年期障害の治療方法は?
若年性更年期障害は、症状によって対策が異なります。 のぼせやほてりといった症状の場合、顔はあつくなっていても、実際に手や足は冷えているといった状態であることがほとんどです。つい冷やしたくなってしまいますが、この場合は、手や足の末端を温めてあげるのが効果的。しかし、上半身に関しては冷やすのではなく、熱がこもらないような服装にするのが正しい対処法だそうです。 また、全身の血行を促進すると若年性更年期障害の症状に効果があると言われており、シャワーではなくお風呂にゆっくりとつかることも大切です。熱いお湯ではなく、ぬるめのお湯でじっくりと体を温めてくださいね。 そして、若年性更年期障害だけでなく様々な症状に対して有効なのが、規則正しい生活です。運動をし、栄養バランスのよい食事をとり、しっかりと眠るという基本的な生活バランスを整えることが、心身ともに健康でいられるなによりの秘訣でしょう。喫煙者であれば煙草はなるべく控えて、お酒は嗜む程度に。また、ストレスも趣味等でしっかりと解消しておくことが大切です。 しかし、これでも改善しない場合は、一度病院を受診してみるのも一つの手です。基本としては、ホルモンバランスの乱れが原因となっているので、ホルモン療法や漢方薬、また、低用量ピルなどの使用でホルモンバランスを安定させる治療が有効だと言われています。
■若年性更年期障害に効く!?エクオール
女性ホルモンによい影響を及ぼすとされる大豆イソフラボン群は、ゲニステインとダイゼインという物質を中心に形成されています。 そのうちの一つであるダイゼインは、腸内細菌の持っている酵素によってエクオールという物質に変換されます。そのエクオールが強いエストロゲン様作用を示すことが、近年の研究結果から明らかになりました。 このエクオールは体内で作り出すことができるのですが、日本人の場合は2人に1人の割合。エクオールを作り出すには腸内細菌が必要なのですが、腸内の環境には個人差があり、エクオールを作り出すことができない腸を持つ人もいるのです。 エクオールを作り出せない腸を持つ人は、エクオールをそのまま摂取する必要があるのですが、最近ではサプリメントとして商品化されているので、こういったサプリメントを服用するのもオススメです。
■若年性更年期障害まとめ
最近は更年期でもないのに更年期障害と同等の症状が出る若年性更年期障害が増えてきています。これは、依然と比べて食生活を始め、生活環境が変化しているということが要因となっているのかもしれません。働く女性が増えてきているのも原因となっているようですね。 運動、食事、睡眠といったような日々の生活を改善していきましょう。不足している栄養はサプリメントで補うのもいいかもしれません。症状が重い場合は、婦人科で診てもらいきちんと治療をすることが大切です。 早く治してイライラ等の不快感とはさよならしたいですよね。