2018年12月、テレビやインターネットのニュースで、自動車メーカーHONDA(ホンダ)から「赤ちゃんが驚きの高確率で泣き止む」という驚きのおもちゃが発表され話題になりました。
赤ちゃんが両手で持てるくらいの車のぬいぐるみから本物の車のエンジン音が流れるだけのおもちゃなのですが、このエンジン音に赤ちゃんが泣きやむ秘密があるようです。
ホンダの公式サイトでは、その秘密を動画で紹介しているので、さっそく見てみました。
目次
なぜ、自動車メーカーが赤ちゃんのおもちゃを作ったの?
「クルマのエンジン音で赤ちゃんが泣き止む!?Honda SOUND SITTER」と題した動画がYOUTUBEにアップされています。
https://youtu.be/IJBvV1K3ays
でも、なぜ自動車メーカーがおもちゃ作りを?と思いませんか?
そのきっかけは、「赤ちゃんが外で泣き出すのが心配…」というママの声でした。
2018年秋にホンダの実施したアンケートで、207人中、「子どもが泣いてしまうことを心配して、外出が億劫になる」に約75%のママが「そう思う」と答えました。
そこでホンダは、車をはじめとした「移動」に関わるメーカーとして、外出先でも赤ちゃんが泣かずにすむ「内蔵スピーカーから車のエンジン音が流れるおもちゃ」を開発したそうです。
12人中11人の赤ちゃんが「ホンダ サウンドシッター」で泣き止むという驚きの結果
これまでも、録音した胎内音が流れるぬいぐるみなどはすでに販売されており、産院に置いてあったので使ってみたという人もいるかもしれません。
しかし、筆者の娘たちが生まれた頃、周囲のママ友と話した時には、「あまり効果なかったかな…」というママと、「効果あったかも…」というママが半々くらいで、「すごい!」と話題になることはありませんでした。
今回、生後半年から1歳半の赤ちゃん12人に、泣いている状態で車のエンジン音を録音したものを2分間聞いてもらったところ、なんと11人の赤ちゃんが泣きやんだとのこと。
うち7人は「心拍数も安定」つまり気持ちが落ちついたということですよね。
「ホンダ サウンドシッター」はなぜそんなに効果があるのか
実際に赤ちゃんを育てているママには、「お腹が空いたからミルクをあげる」などはっきりした原因が分かっている時以外に赤ちゃんを泣きやませることがどれだけ大変かよく分かっていると思います。
なのに、なぜ「ホンダ サウンドシッター」の音を聞いただけで12人中11人もの赤ちゃんが泣きやんだのでしょうか?
実は、このエンジン音は適当に録音したものではなく、30車種以上のホンダの車から選び抜かれたものだといいます。
赤ちゃんがお腹の中で聴いている音は、ママの血流や心臓の音など、低い周波数の音が多く混じっているといわれます。
そして、車のエンジン音も同じく250ヘルツ以下と周波数が低いのですが、車種によってその周波数は少しずつ違うため、数十種類の車のエンジン音をコンピューターで解析し、もっとも胎内音に近いと思われる「NSX2018」に決定したのだそうです。
残念ながらまだ非売品。ぜひ商品化を!
「ホンダ サウンドシッター」は赤ちゃんが両手で持てるサイズの赤い車のぬいぐるみで、音を出すにはあらかじめスマホにインストールしたアプリでオン・オフします。
外出先で赤ちゃんがボタンを押して突然音が鳴りだす…ということもないですし、家でも、ここぞという時にだけ音を出すようにしておけば赤ちゃんが飽きてしまう心配もないですね。
ぜひ欲しい!と思ってしまいますが、残念ながらこちらはまだ開発中で非売品。
一般のおもちゃ屋さんや通販では買えないのですが、東京・南青山にある「Hondaウエルカムプラザ青山」では展示された実物を体験できるそうです。
また、以下の特設サイトでは、「Honadサウンドシッター」同じ音や、最終候補に残った音のサンプルを聞くことができます。
音源はスピーカーでの再生が適していて、スマホでは本来の低音が再現されにくいようですが、もしこれだけでも効果があれば嬉しいですよね!
まとめ
赤ちゃんが泣くのにはその時々で理由があり、とにかく泣きやませればいいというものではありません。
本来なら、「赤ちゃんは泣くもの」という認識を社会全体が持ち、外で赤ちゃんが泣くことを迷惑という目で見ないことがママと子どもを密室に閉じ込めない一番の方法だと思います。
しかし、ホンダのサイトを見ると「赤ちゃんの仕事は、たくさん泣くこと。 それを否定することはあってはいけないと思います」とあり、せめて外出中だけでも「これがあればほぼ大丈夫!」と、ママやパパに安心してほしいという願いが込められていることが分かりました。
わが子用やお祝い用に、ぜひ商品化してほしいですね!
文/高谷みえこ