子どもにとっては一大事な“兄弟喧嘩”ですが、親にとってはストレス源で悩みの種。一刻も早く沈静化させて家事に戻りたいものですが、下手に介入すると火に油を注ぐ恐れもあります。一体兄弟喧嘩は、どのように対処すれば良いのでしょうか。
“喧嘩両成敗”で止めるのは間違い?
最近ネット上では、とある母親のお悩み相談が話題に。投稿者は3歳離れた男の子と女の子を育てているのですが、この兄妹は朝から晩まで些細なことで喧嘩をしてしまうそうです。お母さんとしては、喧嘩をするたびに騒ぐ子どもたちにうんざり。しかし彼女は一人っ子の家庭で育ったため、何故兄弟で喧嘩をするのかわからないと嘆いていました。
現状はとりあえず“喧嘩両成敗”という形で収めているのですが、このままで良いのか不安を抱いているとのこと。そこで他のネットユーザーたちに、“兄弟喧嘩”の対処方法を尋ねています。これに全国のお母さんたちからは様々なアドバイスが。ネット上では「まずは両方の言い分をちゃんと聞いてあげてほしい」「どちらか一方に我慢させないよう気をつけて!」といった声が上がっていました。
また「喧嘩両成敗だと逆に禍根を残しちゃうかもしれない」との助言も。書き込みによると“喧嘩両成敗”には、一方的に喧嘩を吹っ掛けられた方も叱ってしまうというリスクが。そのため悪くないのに怒られた子どもが理不尽さを感じてしまい、教育としてはよくない結果になると指摘されています。
やはり喧嘩をやめさせる時は、中立な立場であることが大切な様子。他にも今回のお悩みには、「上の子だけを“お兄ちゃんなんだから”って叱ることはしないで!」「やっぱり喧嘩の理由によって、ケースバイケースで対応するのが一番」といったアドバイスも寄せられていました。
“静観派”と“介入派”で議論が勃発?
両者の話をよく聞いた方が良いという意見がある一方で、“静観派”の保護者達もいる模様。「割って入ると喧嘩がひどくなることもあるし、基本的には本人たちに解決させる」「だいたいのことは放っておけば自然とおさまってる。目に余る場合だけはちゃんと叱るけど」「どちらかが“暴力”にたよったら怒る。ただの言い合いだけだったら基本は放置」といった声も少なくありません。
ただし「介入するかどうかは子どもの年齢しだい」という人もおり、“介入派”と“静観派”の間では議論が勃発。「子どもが小さいうちはしっかり親が喧嘩を止めるべき」「大きくなってからは、逆に介入しちゃダメでしょ。兄弟で話し合わせるのも教育」「歳の差が離れてるとどうしても上の子の方が口が達者だから、放置してるといつも下の子が損しちゃうよ」といった意見が交わされています。
“兄弟喧嘩”に対する尾木ママの見解は?
些細なことからヒートアップしがちな子どもの兄弟喧嘩。以前放送された『ウワサの保護者会』(NHK)では、男の子2人の母親が喧嘩三昧な息子たちについて悩みを吐露していました。彼女曰く2人の息子はちょっとしたことで大喧嘩してしまうようで、野球ごっこでの“判定”で取っ組み合いに発展することなどは日常茶飯事。おもちゃのベルトが相手の体にあたり、流血騒ぎになってしまったこともあるそうです。
一体どうして兄弟は喧嘩してしまうのでしょうか。そんな素朴な質問に、“尾木ママ”こと尾木直樹さんは「“安心感”がひとつあるよね。前提としてね。だってママもいるわけですから」「人間関係の練習みたいなものよ。『あ、これ以上やったらお姉ちゃん泣いちゃうな』とかね。そこでトレーニングされていくんだと思うの」と語っていました。
親としては心配になってしまう兄弟喧嘩ですが、“成長している証”としても捉えられるのかも。教育のチャンスだと思って、丁寧に見守っていけるとよいですね。
文/牧野聡子