◆賛成派の意見
総務省による2012年の調査では、25歳から39歳の女性のうち、約7割の女性が働いているそうです。この年代の女性は結婚して出産を機に離職することが多いのですが、それでも働いている女性の数が上回っています。 別のデータを見ると、夫の年収が250万円から299万円の世帯の妻の有業率が約65%となっています。他の世代よりも高い割合です。家計を助けるためにも妻に働いてほしいという夫の意見が見えてくるのではないでしょうか。 こうした事情もあり、共働き自体に積極的な夫もいます。賛成派の夫には仕事も家事もお互いに補っていきたいという気持ちが根底にあるようです。 ある家庭では朝の忙しい時間帯は妻の代わりに夫が朝食の支度や洗濯物を干す作業を行い、子どもを保育園に送ってから出社します。 朝の10時に出社してもよいという許可を会社にもらっているからです。妻は9時に出社し、育児早退制度を用いて午後7時頃には家に着くようにしています。義母も共働きを支援しており、保育園から子どもを連れて家に来ます。 会社に育児に便利な制度があったり、夫の勤務条件を変更したりできるような素地があると、特に反対する気にならない人が多いのではないでしょうか。環境が整っているとまわりの人も共働きを支援しようという考えになりやすいのかもしれません。
◆反対派の意見
共働きは家計のためにと考えるママも少なくありません。結婚してから家を建てるご家庭も多いですし、子どもの養育費などを思うとやはりお金が必要になります。しかし、反対派は優先順位が少し違うようです。 結婚後は専業主婦として家庭に入る女性が多かった時代の両親や、その世代の両親に育てられた子どもにとって、「専業主婦」は自然な考え方である場合、女性が家庭を守り、子どもが生まれたら女性が主に子どもの成長をサポートしていくべき。とした意見もあります。 ですから、家計を優先するよりも、「夫は外で働き、妻は家庭を守る」ことを優先して欲しい。といった考えで共働きを反対されることがあります。 また、3歳児神話というものもあります。子どもの脳の発達は3歳までがピークであるため、母親がついていなければならない。という考えをお持ちの方も少なくないようです。 しかし、母親中心に子育てをするべき、とした考え方は、義母ご自身がそうして子育てをして立派に育て上げた自負があるからこそ、お嫁さんにも自信を持っておすすめしている。といった可能性もあるのです。 世代や環境によって考え方はそれぞれ異なりますから、共働きが不可欠であるという考えを理解してもらいたいのであれば、しっかりと自分の意見や考えを伝え、また、夫や両親の言い分にもしっかりと耳を傾け、相互理解できるまで話し合いをするのが一番の解決策ではないでしょうか。 お互いを理解することができれば、家族との関係性も深まり、気持ちよく協力してくれるようになるはずです。