認可外の保育所を増やしても待機児童問題解決にはつながらない?


待機児童の問題に対する“切り札”として、国は認可外の保育所拡大に力を入れています。しかし小さな子どもを持つ保護者からすれば、嬉しいことばかりではないよう。平成28年に厚生労働省が行った「『保活』の実態に関する調査の結果」によれば、希望通りの保育施設を利用できた人は全体の57.9%。そのうち実に96%が認可保育所などを利用しています。

 

また利用しなかった人の理由を見てみると、「認可外は保育の質に不安」「認可外は保育料が高額」といった回答が一定数存在。結果的に育休を延長したり、職場復帰をあきらめるケースも少なくありません。

 

実際に育児をしている人たちからは、「育児世代のニーズに合わないまま無認可の保育所を増やしても、待機児童問題の解決にならない」「基準が緩くて保育料が高い認可外の保育施設なんて、誰も利用したくないよね」「もちろん認可外の保育所全てが悪い訳ではないと思う。どちらかというと、問題なのは国の対策方法」といった意見が見られました。

 

待機児童をはじめ保育士の低賃金など、問題が1つではないのも対策が難しい原因なのではないでしょうか。

 

文/牧野聡子