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女性の妊娠期間は、体も心も、母親になるために急速に変化していきます。そのあまりに急な変化に心身が追い付かず、イライラを夫にぶつけて夫婦喧嘩。せっかく2人の赤ちゃんを授かったのに、夫婦の関係が悪くなるようでは本末転倒です。そのイライラ、解消しませんか?

妊娠中のイライラはあたりまえ。妊婦がイライラする原因3つ

愛する人の赤ちゃんをお腹に授かったというのに、なんだか私だけがイロイロ苦しい。赤ちゃんの父親である夫は何も変わらないのにどうして?と夫にイライラをぶつけてしまったことはありませんか?


確かに妊娠するのは女性であって、負担が大きいのも女性です。でも不安定な心のままに夫を責めてばかりいては、自分から「幸せな家庭」を壊しているようなもの。今回はそんなイライラの原因を探り、その解消法や夫への接し方について考えてみましょう。

 

1.ホルモンバランスの変化

妊娠すると、女性の身体はお腹の赤ちゃんを育てるために、黄体ホルモン(プロゲステロン)・卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を活発に行うようになります。生理が止まったりするのもこのホルモンのせいなのですが、急激なホルモンの分泌により、ホルモンバランスが崩れることで、情緒が不安定になりイライラが募ってしまうのです。

 

2.体調や体形の変化によるストレス

妊娠初期にはつわり、中期・後期には腰痛、お腹のふくらみ、頻尿など、妊娠中は体調も不安定になることが多いため、食べられない、寝られないなど本能的な欲求が満たされず、イライラに拍車がかかってしまいます。

 

3.家族や周囲の人との関係の変化

妊娠により、義家族や実家族との関係が変化することもよくあります。義父母や実父母は過干渉、あるいはその逆に無関心で気疲れしているのに、夫はそれを気遣ってもくれないなど、自分が思い描いていた反応とのギャップが大きいほど、そのストレスは大きくなります。

 

身体と環境の変化が同時にやってくる妊娠に振り回されて、妊婦がイライラするのは当たり前なのです。「こんな気持ちのまま母親になる資格なんてない」なんて思い詰める必要はないんです。

妊婦のイライラ解消法:心と体をほぐそう

イライラの原因が、妊娠という大きな変化による心身の不調からからくるものであることがわかりました。せっかくお腹に赤ちゃんがいるという、人生でそう何度も味わえない喜びを経験しているのに、イライラしていたら、自分にも赤ちゃんにもよくありませんよね。赤ちゃんに悪影響を及ぼさない範囲で、心と体をほぐしてあげましょう。

 

・スポーツで体をほぐそう

自治体や企業主催の「マタニティスポーツ教室」は、探せば結構あります。ヨガ、スイミング、エアロビクスなど、普段全く運動していない人でも、妊婦対象なので意外に楽に取り組めます。例えばマタニティビクスなど、講師の先生の他に看護師さんが常駐している教室では、始める前と後に脈拍、胎児の心音を図ってくれ、問題ないかどうかを確認してくれて、少しでも体調に変化があればすぐに対応してくれるといった対応してもらえるため、安心した気持ちで取り組むことができます。腰痛に効くストレッチなども教えてもらえるところもありますので、運動することでお腹も減り、よく眠れるようになるのではないでしょうか。

 

近くにマタニティスポーツの教室がない場合は、朝、家から近くの公園まで散歩に行くだけでもいいのです。ウォーキングは立派な運動です。痩せるためのウォーキングなら、わき目もふらず、目標の距離になるまでせっせと歩かなければなりませんが、そんなことはせず、赤ちゃんと一緒に周りの景色を楽しむような気持ちでのんびり歩きましょう。

 

・好きなことをして心をほぐそう

色々な事情で、運動を禁じられている妊婦の方もいらっしゃると思います。そんな方におすすめなのが、好きなことをして気分転換することです。

 

美味しい物を食べたり、好きな音楽を聴いたり。マタニティ用のヒーリング音楽などもおすすめです。赤ちゃんが生まれると、しばらくは外出もままならなくなりますし、自分の好きに時間を使うこともなかなかできなくなります。そうなる前に見たいと思っていた映画のDVDを見たり、本を読んだり、エステやおしゃれなカフェに行くなど、自分の時間を贅沢に使って心をほぐして下さいね。

 

一番側にいる夫にイライラをぶつけない方法

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お腹の赤ちゃんは夫の子どもでもあるはずなのに、何故かどこまでものん気で無関心な夫。イライラする気持ちはとてもよく分かります。

 

・赤ちゃんの父親ならこれくらい分かって当然!はママの勝手な思い込み

女性は妊娠すると、身体も心も母になるべく勝手に変化していきます。お腹の赤ちゃんを守るべく、種の保存本能が最大限に発揮され、お腹のふくらみと同時に母性も大きくなっていきます。なにせお腹の中の赤ちゃんの存在を「実感」できるのですから。

 

しかし父親である夫には、それを実感することができません。赤ちゃんの顔を見て初めて父親になったことを自覚する人、子どもに「パパ」と呼ばれて初めて実感する人、父性が目覚めるのは大抵子どもが生まれてからなのです。

 

お腹の赤ちゃんの父親なのだから、これくらい分かって当然、というのはママ側の勝手な思い込みだということを、まず理解しておきましょう。

 

・「我が家の父親像」を2人で作り上げよう

あなたがイライラするのは、夫が「父親ならこうあるべき」という行動を取らなかったせいでしょう。しかし妻が求める父親像と、夫が思い描く「父親像」もまた違うのです。

 

夫にとっての「父親像」は夫の父親や成長の中で見聞きした父親たちによって出来上がっているので、そこに違う家庭で育ったあなたの父親像がぴったり重なるはずがありません。

 

イライラをぶつける前に、まず夫と話し合って、お互いのズレをなくしていくことから始めましょう。キツイ言葉が出そうになったら、一度深呼吸してみましょう。そして「私はこんな時、こうする(こうして欲しい)のだけどあなたはどう思う?」と夫の意見も聞きながら、「我が家の父親像」を作り上げていきましょう。要求ばかりではダメですよ。ときには妥協も必要です。

 

イライラしてばかりいると、お腹の赤ちゃんにも悪い影響を与えてしまいます。それを夫にも伝えて、お腹の赤ちゃんのサポートをしてもらうつもりで、体調不良やイライラを2人で乗り越えて下さいね。