今やどこの家庭にもある「電子レンジ」。仕事や子育てに忙しい現代人にとって、手軽に温かい料理が食べられる電子レンジは、なくてはならない家電ですよね。でも単におかずやごはんを温めるだけに使っていませんか?
今回は温めだけじゃない、電子レンジの賢い使い方をご紹介します。
時短でヘルシー、節約にもなる!電子レンジ調理のメリット3つ
電子レンジの活用法を説明する前に、まず電子レンジ調理のメリットをあげてみましょう。
1.短い時間で調理ができる
言わずと知れた「時短料理」のレシピの中で、大活躍するのが電子レンジです。電子レンジは食材の中の水分を、マイクロ波と呼ばれる電磁波で中から振動させ、その際に発生する熱で食材を内側から温めます。ですから鍋でお湯を沸かす、フライパンを温める、なんていう間接的な調理時間が省け、外側から食材を温める調理よりも時間が短くて済むのです。
例えば鳥のもも肉(200g)を蒸し器で蒸し鶏にする場合、中まで火を通すには、余熱時間も入れて約20分かかりますが、電子レンジの場合は約6分(600wで加熱4分予熱2分)で済みます。わずか3分の1程度の時間で完成してしまうのです。
2.油や水を使わずに調理できる
メタボや生活習慣病の予防のため、食事に気を遣う人が増えています。欧米ほどではないですが、肥満は社会問題であり、低カロリー料理もテレビや雑誌でよく取り上げられていますよね。そんな料理に大活躍するのも電子レンジです。
例えば揚げ物なら普通は鍋にたっぷり入れた油を温め、その中に食材を投入するので、当然中も外も油まみれになりますが、電子レンジなら、油は表面にまぶすだけ。使う油の量はほんの少しです。同じく茹でるための水も、ほんの少ししか必要ありません。
3.電気代、水道代の節約ができる
電子レンジは短い加熱時間で調理が終わるため、使う電気代も少なくて済みます。例えば鍋で食材を茹でる場合、まずお湯を沸かして、食材を入れ、ザルに揚げて水気を切る、という工程になりますので、電気代(ガス代)=水からお湯を沸かす+食材を茹でる、水道代=食材を茹でる水+鍋、ザルを洗う水、が必要になります。電子レンジなら、電気代=食材を茹でる、水道代=耐熱性のボウルを洗う水のみでOKです。
「焼きもの」に使える電子レンジの時短ワザ
電子レンジのメリットを知って、「温め」だけじゃもったいないと思って頂けましたか?では早速、実践してみましょう。料理と言えば、「焼く」「煮る」が基本です。今回はこの2つを電子レンジで代用しつつ、時短もできる使い方をご紹介します。
手間いらずの「飴色玉ねぎ」
洋食屋の鉄板メニューである「オニオンスープ」や、カレーやシチューなど、洋風料理のプロの隠し味として必ず登場する「飴色玉ねぎ」。玉ねぎの甘みを凝縮させ、料理の味を引き立てる影の主役ですよね。でもこれ、私も挑戦したことがありますが、鍋で約30分焦げつかないよう付きっきりで炒めなければならない、本当に手間のかかる代物です。これが電子レンジだと、わずか10分程度で済むというからビックリです。もちろん電子レンジで加熱している間は放置OK。手間も随分省けます。
作り方は玉ねぎ(2,3玉)を繊維に沿って薄切りし、耐熱ボウルに入れてラップをかけて約5分(600w)。水分が飛んでしんなりした状態になったら、あとは油を引いたフライパンで炒めるだけです。色が変わってきたら赤ワインを入れて水分がなくなるまで炒めると、約5分で完成です。冷凍保存もできるので、まとめて作ってストックしておけば、いつでもプロの味を家で楽しむことができます。
ヘルシーで簡単、ごまがポイントの「唐揚げ」
唐揚げといえば、子供も大人も大好きメニュー。しかし油で揚げるので準備も後片付けも大変ですよね。これもレンジで素早く簡単にできます。一口大に鶏肉を切ったら、酒、しょうゆ、みりん(砂糖でもOK)、すりおろしたしょうが・ニンニク(チューブでもOK)などと一緒にビニール袋に入れて、よく揉み込み、5分ほど置きます。別のビニールに小麦粉とごまを入れ、漬け込んだ鶏肉を入れて粉をまぶします。耐熱皿にクッキングシートを敷き、鶏肉を間が空くように並べて、あとはラップをせずに電子レンジで7分(500w)。コツは耐熱皿の下に割りばしなどを置いてターンテーブルと皿の間にスキマを作ること。油で揚げるよりヘルシーで、カリッと美味しい唐揚げの出来上がりです。
「煮こみ料理」に使える電子レンジの時短ワザ
根菜の下ごしらえ
大根、ニンジン、じゃがいもなど、根菜と呼ばれるものは、どれも火を通すのに時間がかかります。生煮えの状態だと硬くて美味しくないし、でも食べたいし…でついつい総菜コーナーに、という方は多いと思います。
これらはすべて、レンジで加熱してから使うと、すぐに火が通ります。例えばじゃがいもなら200gがレンジで4分(600w)、ニンジンなら100gが2分弱(600w)でOKです。根菜だけではなく、ほうれん草やブロッコリー、キャベツや白菜などもレンジを使えばあっという間に茹で上がります。
野菜は水洗いし、水分を軽く切ってから耐熱皿に入れ、ラップをかけるか、水で濡らして絞ったクッキングペーパーに包んだりして調理します。うまく仕上げるコツは、根菜なら均一の大きさにカットすることです。そうすることで加熱ムラを防ぐことができます。
トロトロ豚の角煮
口の中でほどけるほど柔らかい豚の角煮、美味しいですよね。でもこれも圧力鍋がなければものすごく時間のかかる代物。豚肉をまず茹でて余分な脂を落とし、鍋で調味料を温めたら、豚肉を入れて落し蓋をして弱火で1時間…。工程を思い出すだけで疲れてしまいます。しかしこれも電子レンジだと簡単。作り方は豚肉(バラかたまり肉)を2センチ角に切り、長ネギやにんにくと一緒に、耐熱ボウルに入れます。そこへ酒や水、しょうゆ、砂糖、酢(肉を柔らかくする作用がある)などの調味料を入れて、軽くラップをかけ、まず12分(500w)、上下を返して、さらに5分。あとはラップを落とし蓋替わりにし、そのままつけておくだけで完成です。
その他にも、豆腐や油揚げの水切りや油抜き、乾物(干しシイタケやひじき)を戻すなど、下ごしらえにも電子レンジは大活躍します。ぜひ一度ご自分のレンジの使い方を見直してみませんか?