Pregnant woman

子どもは、ママのお腹にいた時のことを覚えていて、言葉が話せるようになると教えてくれる…そんな話を聞いたことはありますか?

 

今回は、「胎内記憶」と呼ばれることもある、「お腹の中の記憶」について、本当なのか嘘なのか、ママの体験談もまじえて取り上げてみます。

 

なお、胎内記憶について研究している医師や学者もおられますが、今回は医学的根拠(エビデンス)に基づいた情報ではありませんので、リラックスして楽しみながら読んでみて下さいね。

目次

胎内記憶はいつごろ聞けるの?


私たちの経験したことは、日頃は思い出せなくても脳内に記録され、何かの拍子にふと思い出したり、はっきりと思い出さなくても潜在意識として日常の行動に影響を与えたりすると言われています。 

 

ということは、赤ちゃんがおなかの中で経験したことが脳内に残っていても不思議はないのかもしれません。

 

ただ、ある程度、順序立てて話せるようにならないと言葉で説明することは難しいので、お腹の中の話を聞かせてもらえるのは早くても2歳あたりからでしょうか。そして4歳を過ぎると記憶が薄れてゆくのか、聞いても「知らない」「忘れちゃった」という返事が返ってくることが多いのだとか。

 

また、何回も聞くとだんだん内容が変わってくるそう。ママが興味津々なのを見て、サービス精神からか話が大げさになっていく子も多いそうなので、聞くのは1回だけにした方が良いとも言われています。

「胎内記憶、あるかも」派のママの体験談


わが子が胎内記憶を話したというママに話を聞いてみると、その内容にはある程度共通点があることに気づきます。それは次のようなもの。

 

生まれる前には、お空にいた

「たくさんの子どもたちや、神様(のような存在)と一緒に雲の上にいた」

 

「空の上からどの家の子になるか選び、ママのところに来た」

 

と言う子が非常に多いようです。たくさんの家族から自分たちを親に選んでくれたのだと想像すると、なんだか感動してしまいますね。

 

おなかの中の様子

生まれる前のことは現在の科学技術では確かめようがありませんが、お腹の中の状態はすでに解明されています。

 

「お水の中で浮かんでいた」「プールみたいなところ」と言う子はとても多いので、それを聞くと、やっぱり本当に覚えているのかも…と思ってしまいますね。

 

また、子宮の中はママの皮膚を通してぼんやりと外の明るさが伝わる程度だと言われていますが、「赤かった」「ピンク色」「オレンジ色」と表現する子が多く、これも実際と合っている感じです。

 

「お腹の中は温かくて、出てきたくなかった」と話す子が実際に予定日を大幅に過ぎていたり、「こんな風にしてたの」とでんぐり返りをする子は、検診のたびに逆子と正常な体勢を繰り返していたり…という話も実際にあるそうです。

 

外の話が聞こえていた

胎児は耳は妊娠後期にはすでに聞こえていますが、子宮の中は羊水で満たされているため、明瞭に単語は聞き取れていないという説が有力です。 

 

しかし、子どもの話からは、「ザーザー音がしてた」(ママの血流音かも?)「時々、パパの声がした」「音楽や歌が聞こえた」といったものから、「ママいつもお電話してたね」(産休に入るまでテレフォンオペレーターのお仕事をされていたそうです)「ママが○○ちゃんって呼んでた(妊娠中のニックネーム)」など、状況がはっきり分かっているような内容まで飛び出してくるそう。

 

出産時のことも覚えている?

「生まれてくる時、どうだった?」とたずねると、「ギューッとして苦しかった」「急に明るくなってママの声がした」と答える子が多く、「ヘビさんみたいなの(へその緒?)があって、パパがチョッキンした」など、実際の状況と合っていることもしばしばあるそうです。

「胎内記憶はウソ」派のママの意見


これに対し、胎内記憶には懐疑的なママの声も。

 

「3人の子がいますが、ふたりは聞いてもまったく覚えていないというし、ひとりは話してくれたのは良いのですが、だんだんロボットや怪獣が出てきたりとか荒唐無稽な話に変わってしまい…たぶん、本当の胎内記憶ではないと思います。ママ友の間でも、今のところ、おお!と思うような真実味のあるお話をしてくれたお子さんはいなくて。ちょっと残念ですね」(Iさん・32歳・6歳と3歳と1歳の兄妹のママ)

 

「子どもって、絵本やテレビアニメなどで、赤ちゃんが雲の上からお家にやってくる…といったお話を、どこかで目にしていると思うんですよね。私も子どもに聞いてみたのですが、どこかで聞いたような話だと思ったら、産院でもらった母親教室の冊子と同じ内容でした。私のために想像で話してくれたのかな」(Gさん・28歳・3歳の男の子のママ)

 

2~3歳の頃は、おとぎ話や絵本などの空想の世界と現実の区別がまだあいまいなことも多く、それが子ども時代のすてきなところでもあります。

 

小さな子でも、ママや周りの妊婦さんを目にする機会は多いため、赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるということは理解できているはず。

 

それと自分なりの空想とが結び付き、ストーリーになった…というのが、「胎内記憶はウソ」派のママの考え方のようです。

 

胎内記憶まとめ


今回、ママたちに話を聞いてみた「胎内記憶」は、今のところ、医学的・科学的には根拠はないものです。

 

でも、もしこの話が本当だとしても、子どもの空想から生まれたものだとしても、親子で生命や誕生について考える素敵な時間であることに変わりはありませんよね。

 

筆者の娘たちは気づけばすっかり成長し、聞く機会がありませんでしたが、当時に戻れるならちょっと聞いてみたい気もします(笑)。

 

文/高谷みえこ