芸能人や著名人の中には、生前葬を行った人が多くいます。パフォーマンスとして見られることが多い儀式ですが、生前に行うことには大きな意味合いが。世間ではあまり知られていない生前葬の中身についてご紹介しましょう。

 

元衆議院議員・宮崎謙介さんの生前葬


9月4日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)に、元衆議院議員の金子恵美さんが出演。夫である元衆議院議員・宮崎謙介さんの生前葬をあげたエピソードを語り、生前葬を行う意義や具体的な内容について語りました。

 

生きているうちに葬式を行う生前葬は、お世話になった人々へ感謝の気持ちを伝えたり、人生の再スタートを切る目的で行われるもの。仏教の教えでも一度死を体験して生まれ変わることは大事なことだと言われており、宮崎さんの式も仏教の形式で行われました。金子さんは式の喪主を務め、棺に入った夫に手を合わせてお見送りの言葉を捧げたそうです。

 

生前葬を終えてからの宮崎さんについて、金子さんは「あんまり変わってないですね」とコメント。本人や周囲の心境に大きな変化はないものの、「生きているうちに感謝の言葉を伝えられることに意味がある」と述べています。

 

宮崎さんの式をきっかけに「最後のつもりで感謝を伝える機会って確かに貴重かも」「自分の好きなように式をあげてみたい」「本当の葬儀を慎ましくするために先に盛大にお別れしておくのはアリかな」と、生前葬に興味を持った人も多いようです。

 

生前葬に参列する際のマナー


生前葬が行われた事例は少ないため、通常の葬儀とどんな違いがあるのか知っている人は少ないはず。生前葬のサポートを行っている「公益社」の公式サイトでは、参列するときのマナーについて解説されています。

 

葬式では喪服や礼服を着るのが一般的ですが、生前葬では故人役の主催者が健在なので平服OKなこともある様子。式の雰囲気もしんみりせず明るくしてほしいと考える人が多く、本来の葬式よりマナーの面はゆるめです。

 

お金に関しては、香典の代わりに会費を払う形になります。金額に関しては式の規模や会場によって変わるので、事前に確認が必要。生前葬は自由度が高いため、主催者の意向によって変動する部分がほとんどです。式を挙げる理由や本人の意思を汲み取って、哀悼よりも感謝やお礼の気持ちを持って参列しましょう。

 

少しづつ実施する人も増えているという生前葬。新たな“終活”のひとつとして、ブームとなる日も近いかもしれませんね。

文/内田裕子