「なんだか調子が悪い…」と体に不調を覚えたとき、症状に合わせて調べる“病名”。病気の名前は数え切れないほどありますが、それぞれの病名にも“由来”があります。そこで今回は、身近な病名から語源を探っていきましょう!

 

「かぜを“ひく”」と表現する由来は?


9月20日放送の『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』(NHK)では、「身近な病名の由来は?」をテーマに展開。病名が成立する過程を、お笑いコンビ・ドランクドラゴン主演による時代劇仕立てで紹介されました。

 

最初に取り上げられたのは、季節の変わり目に罹りやすい「風邪」。その語源は僧侶が医師の役割を果たしていた鎌倉時代に、風邪の症状を引き起こす“悪い風”のことを「風邪(ふうじゃ)」と呼んでいたことに由来。当時は“邪気”が病をもたらすと考えられていて、現在の“かぜをひく”という表現は“ふうじゃを体に引き込む”からきています。

 

昔から“風は万病のもと”といわれ、「ふうじゃ」が引き起こす病の1つと考えられていたのが「風湿」。雨天など湿度が高いときに発症・悪化するため“湿”がつけられていて、これが現在の「リウマチ」につながりました。

 

また風に中(あた)ることから「中風」と名づけられた病気が、現在の「脳卒中」になります。その症状が“ふうじゃによって引き起こされる”と考えられるようになったのは、奈良時代のころから。江戸時代中期には“突然”を意味する“卒”をつけて、「卒中風」と呼ばれるようになりました。しかし明治時代に原因は脳にあると分かり、“風”を外し“脳”をつけて「脳卒中」と命名。正しく認識された名前に決まるまで、なんと1200年も要したことになります。

 

ほかにも海外で使われていた“インフリュエンサ(星や大気の影響という意味)”が語源の「インフルエンザ」、ラテン語で“脱出”を意味する「ヘルニア(hernia)」といった紹介が。視聴者は意外な由来に興味津々で、ネット上には「鎌倉時代から風邪って使われてたなんてすごくない?」「なんで風邪を“ひく”っていうか気になってたけどスッキリした!」「ちゃんと病名にも意味があるんだなって、まさに目からウロコ」といった声が続出しました。